ポルトガルの家庭料理
旨味の深い"干しだらのコロッケ"

旨味の深い"干しだらのコロッケ"

たらの旨味がじゃがいもにしみ渡り、頬張ると口いっぱいに広がります。ほろっとくずれる食感も美味。日本人にも合う、シンプルで美味しいポルトガルの食文化に魅せられ、かの地に通って料理を教わった馬田草織さんに家庭料理のあれこれをご披露いただきました。

“干しだらのコロッケ”のつくり方

成形した後、衣をつけずにそのまま揚げられるのも、手軽でうれしい。揚げるそばから、どんどん食べてなくなること必至。

材料材料 (約24個分)

甘塩たら*2切れ(200g)
じゃがいも2個(200g)(メークイン)
玉ねぎ1/4個分(みじん切り)
イタリアンパセリ4~5枝分(葉をみじん切り)
1個
ナツメグパウダー少々
適量
黒胡椒適量
揚げ油適量

*甘塩でなく生たらの場合は、多めに塩をふり、キッチンペーパーで包んで冷蔵庫に30分以上(できれば一晩)おき、身を締めてから使う。

1たらに火を通す

耐熱皿にたらを並べてラップをかぶせ、600Wの電子レンジで2分ほど加熱し、完全に火を通す。または、浅鍋かフライパンにたらとひたひたの水を入れて中火にかけ、ゆでる。粗熱が取れたら水分を捨て、皮と骨をはずして身をほぐす。

2じゃがいもをつぶす

じゃがいもはゆでて皮をむき、ボウルに入れる。1のたら、玉ねぎを加え、マッシャーなどでたらが繊維状にほぐれるまでつぶしながら混ぜ、味をみて塩でととのえる。なめらかになったら溶き卵とイタリアンパセリ、ナツメグ、黒胡椒を加え、さらにしっかりと混ぜる。

3揚げる

揚げ油を180℃に熱する。2をスプーン2本で長さ3〜4㎝のラグビーボール状に成形して油に落とし、こんがりと揚げる(油の中でコロッケがばらけてしまうなど、うまくまとまらない場合は、つなぎの役割をする溶き卵の入れ忘れか、たねがやわらかすぎるか、油の温度が低い可能性があるので確認と調整をし、それでもまとまらない場合は、たねに片栗粉大さじ1を混ぜるとよい)。

揚げる
たねはスプーンで交互にすくうように成形する。たねが飛び出てカリカリ揚がったところもおいしいので、大らかにやろう。この状態で冷凍保存も可。凍ったまま揚げられる。
完成

教える人

馬田草織

馬田草織

東京生まれ。出版社勤務の後、ライター、編集者として活動しつつ、ポルトガル料理研究家として自宅で料理教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』など。

四季dancyu「秋のレシピ」
四季dancyu「秋のレシピ」
A4変型判(120頁)
2021年9月13日発売/1100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。