ポルトガルの家庭料理
酸っぱ辛いポルトガルの豚肉サンド"ビファーナ"

酸っぱ辛いポルトガルの豚肉サンド"ビファーナ"

ポルトガルのB級グルメとして親しまれる豚肉サンド。炭酸水で煮た豚肉はやわらかで、クセになる味わいです。日本人にも合う、シンプルで美味しいポルトガルの食文化に魅せられ、かの地に通って料理を教わった馬田草織さんに、家庭料理のあれこれをご披露いただきました。

“ビファーナ”のつくり方

唐辛子やビネガー、パプリカがきいた煮汁を、パンに吸わせるのがおいしい。食べるときに好みでマスタードをかけても。手が汚れるのは気にせずかぶりつこう。

材料材料 (5個分)

豚肉300g(こま切れ)
小さじ2
炭酸水200ml
玉ねぎ1/2個分(粗みじん切り)
にんにく2片分(粗みじん切り)
赤唐辛子1本(種を取ってちぎる)
ローリエ1枚(半分に折る)
A
・ 白ワイン100ml
・ 白ワインビネガー大さじ2
・ パプリカパウダー大さじ1
・ 粉唐辛子小さじ1
・ 胡椒適量
オリーブオイル大さじ2
プチパン*5個
マスタード適宜(好みで)

*プチパンは横に切り込みを入れておく。プチパンの代わりにバゲットを長さ10cmほどに切って使ってもよい。

1下ごしらえ

豚肉をポリ袋に入れて塩をふり入れ、炭酸水を100ml加え、袋の上から軽くもみ込む。袋を軽くとじ、冷蔵庫に1時間以上おく。時間があれば、一晩おくとさらにやわらかくなる。

下ごしらえ
豚肉は塩をふったあと、炭酸水を少量まぶしてから冷蔵庫でしばらくねかせることで、やわらかく仕上げることができる。

2蒸し炒めにする

鍋にオリーブオイルをひき、玉ねぎと赤唐辛子、ローリエを入れ、蓋をして弱火にかける。ときどき、ざっと混ぜながら、玉ねぎから出る水分で蒸し炒めにし、玉ねぎが透き通ったら、にんにくを加える。全体を混ぜてから蓋をし、香りが立つまで蒸し炒めにする。

3ソースをつくる

にんにくの香りが立ったらAを加えてざっと混ぜ、蓋をして弱火にかける。10分ほど煮たら鍋を火からおろし、炭酸水の残りを加えてからハンドミキサーで撹拌し、なめらかなソースにする。

4肉をソースにからめる

3のソースを弱火にかけ、1の豚肉を入れる。肉をほぐすようにしてソースをからめたら、再び蓋をして数分加熱し、肉に完全に火を通す。火からおろしてそのまま冷まし、味を落ち着かせる。

5サンドする

食べる前に4を温め直し、プチパンに肉をたっぷりと挟んだら、挟んだ口を鍋中のソースに浸し、器に盛る。好みでマスタードをかけて食べる。

サンドする
パンに肉をサンドしたら、挟んだ口を鍋にたまった煮汁めがけて、どぼんと浸すのがお約束。しみ加減はお好みで。
完成

教える人

馬田草織

馬田草織

東京生まれ。出版社勤務の後、ライター、編集者として活動しつつ、ポルトガル料理研究家として自宅で料理教室「ポルトガル食堂」を主宰。著書に『ようこそポルトガル食堂へ』『ムイト・ボン!ポルトガルを食べる旅』など。

四季dancyu「秋のレシピ」
四季dancyu「秋のレシピ」
A4変型判(120頁)
2021年9月13日発売/1100円(税込み)

文:鹿野真砂美 撮影:宗田育子

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。