日本酒を呑むと欲しくなるのが魚の刺身。でも、家庭でパックの刺身をそのまま食べるのは味気ない。スーパーのお刺身をいかに美味しく、格上げするか。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、あてになる刺身の簡単アレンジを教えていただきました。
パック詰めされたお刺身は、そのままだと侘しい気持ちになりませんか?生魚そのものの美味しさは、外でいただくものにはかないませんから、亜流かもしれませんが、ひとアレンジ加えることをお薦めします。そのひと工夫に欠かせないのが、アボカドです。森のバターと呼ばれるアボカドの濃厚でコクのある味わいは、海苔やわさび醤油と合わせるとどんなお刺身も美味しくランクアップしてくれます。
お刺身はマグロのとろを使っていますが、白身魚や青魚でもよく、お好みで。このままではちょっとと思う刺身がアボカドとの組み合わせで、ご飯にも日本酒にも合う一品になります。
とろとたくあんは同じサイズの細切りにしていて、たくあんは甘めのものがお薦めです。切って混ぜ合わせたとろたくと、ザクッとつぶしたアボカド。これを海苔で巻くだけで、日本酒にぴったりのつまみが出来上がります。日本酒はキリッと冷やした純米大吟醸、フレッシュな味を楽しめる生酒がお薦めです。
とろ(刺身用) | 30g |
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焼き海苔 | 1枚 |
アボカド | 適量 |
たくあん | 20g |
白胡麻 | 少々 |
長ねぎ | 少々(白い部分) |
わさび | 少々 |
醤油 | 少々 |
とろ、たくあんは細切りにする。アボカドはフォークの背でつぶす。海苔は食べやすい大きさに切る。長ねぎは小口切りにする。
器にとろたくとアボカドを盛り合わせ、白胡麻をふってねぎをのせ、わさびを添える。海苔に具材をのせ、巻いて醤油につけていただく。
京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。
文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ