大庭英子さんの食べ飽きない定番レシピ
薬味たっぷりでサラダにもなる"カツオのたたき"

薬味たっぷりでサラダにもなる"カツオのたたき"

薬味をたっぷり、種類にこだわらず好きな材料と香りを添えれば、サラダの役割も果たすボリュームのある一皿に。ポン酢は手作りだと香りが一層アップします!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。

“カツオのたたき”のつくり方

表面を炙ったカツオのたたきは香ばしくて、刺し身とはまた違った味わい。生の魚を食べることを禁じられていた時代の知恵だとか、皮下にいる寄生虫を退治したとか、料理については諸説ありますが、季節柄、稲藁で炙って表面だけに軽く火を通し、中は生の状態で食べるのが本来の姿だとか。家庭では難しいので、フライパンで焼いてつくります。柑橘類を使った手づくりポン酢は爽やかな香りでおすすめです。

カツオのたたきひと口メモ
カツオをひときわおいしくしてくれる薬味。薬味とは薬の味と書くように、料理の味を引き立てるだけでなく、薬効を利用して食中毒などから身を守る先人の知恵でもありました。刺し身にわさび、そばやうどんにはねぎ、と日々の食事に欠かせません。カツオには生姜やみょうが、青じそに玉ねぎなど種類にこだわらず、好きな香りを添えて。薬味たっぷりのサラダ仕立てにするのもおすすめです。

材料材料 (4人分)

カツオ1サク(500g)
少々
サラダ油大さじ1/2
★ 薬味
・ みょうが3個
・ 玉ねぎ1個
・ 新生姜大1片
・ にんにく2片
・ 青じそ8~10枚
・ 小ねぎ50g
・ すだち1個
★ ポン酢2/3カップ
・ 柑橘の搾り汁1/3カップ
・ 醤油1/3カップ

1カツオに塩をふる

カツオは全体に軽く塩をふり、長さを半分に切る。

カツオに塩をふる

2カツオの表面を焼く

フライパンにサラダ油を熱し、皮目を下にして強火で1~2分焼き、返しながら残りの2面も30秒~1分ずつ焼く。

カツオの表面を焼く
表面から2mm程度、色が変わるくらいに焼きます!

3冷やす

全面を焼いたらバットに取り出し、ラップをかけて冷蔵庫で1~2時間冷やす。

冷やす

4みょうがを切る

みょうがは縦に薄切りにする。

みょうがを切る

5玉ねぎを切る

玉ねぎは芯を切り取って縦に薄切りにする。

玉ねぎを切る

6みょうがと玉ねぎを冷水にさらす

ともに冷水にさっとさらして水気をきる。

みょうがと玉ねぎを冷水にさらす

7ほか薬味の材料の下準備

新生姜は洗い、皮のまません切りにする。にんにくは薄切りにする。小ねぎは小口切りにする。すだちは薄い輪切りにする。

ほか薬味の材料の下準備

8ポン酢をつくる

ボウルに柑橘類の搾り汁、醤油を合わせる。

ポン酢をつくる
自家製ポン酢はいい香り!

9カツオを切る

カツオは皮目を手前にしてひくようにして8mm~1cmの厚さに切る。

カツオを切る

10盛りつける

器に玉ねぎを敷き、カツオを薬味と共に盛り合わせる。

盛りつける
青じそで仕切りをつくりながら、カツオを盛り、ほかの薬味ですき間を埋めながら盛りつけます!

教える人

大庭英子 料理研究家

身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。

※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。

手ほどきdancyu 基本の ろ
手ほどきdancyu 基本の ろ
家庭の和食いろは
手ほどきdancyu 家庭の和食いろは 基本の“ろ”

A4変型 判( 84 頁)
ISBN: 9784833477673
2019年02月27日発売 / 770円(税込)

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。