薬味をたっぷり、種類にこだわらず好きな材料と香りを添えれば、サラダの役割も果たすボリュームのある一皿に。ポン酢は手作りだと香りが一層アップします!料理名を聞いたら、味を浮かべることができる、そんな、誰もが知っているおなじみのおかずを、料理研究家の大庭英子さんに教えてもらいました。
表面を炙ったカツオのたたきは香ばしくて、刺し身とはまた違った味わい。生の魚を食べることを禁じられていた時代の知恵だとか、皮下にいる寄生虫を退治したとか、料理については諸説ありますが、季節柄、稲藁で炙って表面だけに軽く火を通し、中は生の状態で食べるのが本来の姿だとか。家庭では難しいので、フライパンで焼いてつくります。柑橘類を使った手づくりポン酢は爽やかな香りでおすすめです。
カツオ | 1サク(500g) |
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塩 | 少々 |
サラダ油 | 大さじ1/2 |
★ 薬味 | |
・ みょうが | 3個 |
・ 玉ねぎ | 1個 |
・ 新生姜 | 大1片 |
・ にんにく | 2片 |
・ 青じそ | 8~10枚 |
・ 小ねぎ | 50g |
・ すだち | 1個 |
★ ポン酢 | 2/3カップ |
・ 柑橘の搾り汁 | 1/3カップ |
・ 醤油 | 1/3カップ |
カツオは全体に軽く塩をふり、長さを半分に切る。
フライパンにサラダ油を熱し、皮目を下にして強火で1~2分焼き、返しながら残りの2面も30秒~1分ずつ焼く。
全面を焼いたらバットに取り出し、ラップをかけて冷蔵庫で1~2時間冷やす。
みょうがは縦に薄切りにする。
玉ねぎは芯を切り取って縦に薄切りにする。
ともに冷水にさっとさらして水気をきる。
新生姜は洗い、皮のまません切りにする。にんにくは薄切りにする。小ねぎは小口切りにする。すだちは薄い輪切りにする。
ボウルに柑橘類の搾り汁、醤油を合わせる。
カツオは皮目を手前にしてひくようにして8mm~1cmの厚さに切る。
器に玉ねぎを敷き、カツオを薬味と共に盛り合わせる。
身近な食材を使い、特別な調味料を使うことなくつくるシンプルな料理は、圧倒的においしいと定評がある。和洋中を問わず、多くのカテゴリーのメニューを提案。その斬新なアイデアには目をみはるものがある。
※この記事の内容は、手ほどきdancyu「基本の ろ」に掲載したものです。
文:中村裕子 写真:原ヒデトシ