だしの準備ひとつでさっとつくれるどんぶりです。粉山椒は食欲を増進させてくれるので、暑さの厳しい季節にはたっぷりと。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
ふんわり、柔らかく仕上げた卵に、香りのいい青ねぎをたっぷり。仕上げに粉山椒を贅沢にふれば、食欲がないときでもご飯がさらさらとお腹の中におさまります。1人分ずつつくれるし、だしさえあればあっという間にできるから、手軽にすませたいときや、急な来客があったときのお昼ごはんにぴったり。丼鉢はスープや和え物にも使えて便利なので、いくつか持っていてもよいと思います。揃いではなく、バラバラなのが楽しい。わが家にある白っぽい丼を集めてみたら、白のグラデーションが美しい食卓になりました。左から堀仁憲さん、清水善行さん、作者不明、黒畑日佐代さんの作品。
卵 | 2個(常温に戻す) |
---|---|
九条ねぎ | 1/2本 |
A | (合わせておく) |
・ だし | 90ml |
・ 塩 | 小さじ1/3 |
・ 淡口醤油 | 小さじ1 |
・ みりん | 小さじ1/2 |
片栗粉 | 小さじ1(同量の水で溶く) |
粉山椒 | 少々 |
ご飯 | 200g |
ねぎは斜め切りにする。
丼にご飯を盛り、平らにならす。
1人分ずつ鍋でつくる。鍋にAを入れて中火にかける(強火だと蒸発してしまうのでNG)。
卵は小さなボウルに割り入れ、スプーンで白身を切るようにして4~5回混ぜる。3の温めたAを小さじ1と、水溶き片栗粉を軽く混ぜ合わせる。
中心までしっかり沸騰したところにねぎを加える。再び沸騰したら4を箸に沿わせながら、鍋の中心から外側の順にゆっくりと流し入れる。
強火にし、菜箸で7秒ほど全体をかき混ぜる。鍋の縁のほうから卵が固まってきたら蓋をしてそのまま10秒置く。鍋を濡れ布巾の上にのせて鍋底を冷ます。
菜箸で縁をはがしながら鍋を傾け、2のご飯に素早くのせ、粉山椒をふる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
この記事は技あり!「四季dancyu 春のレシピ」に掲載したものです。
文:藤井志織 写真:伊藤徹也