dancyu定番シリーズの最新号からレシピをご紹介。トマトといえば、イタリア料理。東京・白金にある南部シチリア料理の名店「ロッツォ・シチリア」に教わった、いわし、トマト、レーズン、松の実など、シチリア料理の定番素材を使った素朴なごちそうレシピです。
トマトは、とにかく便利な素材。忙しいときには、くし形に切って塩を添えるだけでおいしい。また翌日、同じくし形のトマトにかつお節と醤油をのせれば別の一皿に変身します。でも、そこにもうちょっと工夫を重ねると、ぐんぐん実力を発揮。主菜から副菜、ご飯ものまで、夏の食卓が華やぐ料理があれこれつくれます。
シンプルに食べておいしいがゆえに、その実力を見過ごされてきたトマト。『dancyu定番シリーズ』の最新号では、トマトを主役にしたレシピ78品をご紹介しています。今回はその中から、シチリア料理の名店「ロッツオ・シチリア」に習ったレシピをご紹介しましょう。揚げたいわし団子をトマトでさっと煮た「いわし団子のトマト煮」は、赤ワインが止まらないおいしさです。
いわし | 6尾 |
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トマト | 4個 |
玉ねぎ | 1/2個 |
卵 | 1個 |
パン粉 | 大さじ6 |
レーズン | 20g |
松の実 | 10g |
バジルの葉 | 10枚 |
塩 | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
薄力粉 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
いわしは手開きにして骨を取り、尾ひれや硬い背びれ部分も切り落とす。玉ねぎをみじん切りにする。トマトをざく切りにする。
フライパンを熱してオリーブオイルをひき、いわしの皮目だけをこんがりと焼く。
2をボウルに移し、卵、パン粉、レーズン、松の実を加える。
手でいわしを細かくほぐすようにしながら練り混ぜ、8等分する。
団子状に成形し、薄力粉をまぶす。
170℃に熱した油に5を入れ、両面を2分ずつ揚げる。表面がしっかり色づいたら取り出してキッチンペーパーにのせ、油をきる。あとでトマトソースで煮込むため、ここでは完全に火が通っていなくてもよい。
別の鍋にオリーブオイル小さじ2をひいて熱し、玉ねぎを炒める。玉ねぎが透き通ってしんなりしてきたら、ざく切りにしたトマトを加える。
全体に油が回ったら、6のいわし団子を入れる。蓋をして、弱火で約15分蒸し焼きにする。途中で焦げないように注意し、水分が足りなければ少量の水を足す。皿にソースとともに盛り、バジルの葉を刻んでのせる。
「ロッツオ・シチリア」シェフ
都内のイタリア料理店勤務、3年間のイタリア修業などを経て阿部努氏と二人で「ロッツォ・シチリア」を開く。伸びやかで躍動感あふれる料理が好評。修業時代の多くを過ごしたシチリアの郷土料理も得意。
※この記事の内容は、「dancyu定番シリーズ 絶品!トマトごはん」に掲載したものです。
取材:鈴木美和 撮影:野口健志