dancyu定番シリーズの最新号からレシピをご紹介。トマトといえば、イタリア料理。東京・白金にある南部シチリア料理の名店「ロッツォ・シチリア」に教わった、バターとトマト、レモンのソースで食べる鶏肉料理のレシピです。
トマトは、とにかく便利な素材。忙しいときには、くし形に切って塩を添えるだけでおいしい。また翌日、同じくし形のトマトにかつお節と醤油をのせれば別の一皿に変身します。でも、そこにもうちょっと工夫を重ねると、ぐんぐん実力を発揮。主菜から副菜、ご飯ものまで、夏の食卓が華やぐ料理があれこれつくれます。
シンプルに食べておいしいがゆえに、その実力を見過ごされてきたトマト。『dancyu定番シリーズ』の最新号では、トマトを主役にしたレシピ78品をご紹介しています。今回はその中から、シチリア料理の名店「ロッツオ・シチリア」に習ったレシピをご紹介しましょう。「鶏胸肉のバターソテー、トマトとレモンのソース」です。あっさりしたむね肉がトマトとバターの力強い旨味でぐっと華やぎます。
鶏胸肉 | 1枚 |
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トマト | 2個 |
バター | 20g |
レモン | 1/2個 |
塩 | 少々 |
小麦粉 | 少々 |
鶏肉は塩をややしっかりめにふり、手で押さえてなじませる。そのまま常温で1時間おく。
レモンは厚さ1.5cmの輪切りを2切れつくり、皮をむく。
鶏肉の皮目に小麦粉を薄くはたく。
フライパンを熱し、バター10gを入れる。バターが溶けてきたら2を皮目を下にして入れ、弱めの中火で焼く。
フライパンの端でレモンの両面を焼き、別皿に取り出す。
皮目にこんがり焼き色がついたら裏返し、蓋をしてさらに弱火で5分ほど焼く。
肉の厚みのある部分に竹串を刺し、透明な汁が出たら焼き上がりの目安。蓋を取り、残りのバター10gを投入する。
肉にバターをまとわせ、ざく切りにしたトマトを加える。トマトとバターとなじんだら3のレモンを戻し入れ、火を止める。皿に盛り、ソースをたっぷりかける。
「ロッツオ・シチリア」シェフ
都内のイタリア料理店勤務、3年間のイタリア修業などを経て阿部努氏と二人で「ロッツォ・シチリア」を開く。伸びやかで躍動感あふれる料理が好評。修業時代の多くを過ごしたシチリアの郷土料理も得意。
※この記事の内容は、「dancyu定番シリーズ 絶品!トマトごはん」に掲載したものです。
取材:鈴木美和 撮影:野口健志