ナツメグが鶏モツに合うのはもちろんですが、青菜にも合うとは新発見!ナツメグの甘やかな香りに、赤ワインを合わせるのがお薦めです。蒸し暑い初夏も、スパイスの力を借りて爽やかに乗り切りましょう!「酔いどれ料理家」を名乗る、料理研究家の稲葉ゆきえさん(通称:スヌ子先生)に、食べ慣れたお惣菜や、いつもの酒のあてを、スパイスひとふりで、ぐっと新鮮に、パッと輝く一品に変身させるレシピを習いました。
ムスクのような官能的で甘い香りが特徴。和名を肉荳蔲(にくずく)という。“肉”の字がつくだけあって、挽き肉料理と相思相愛。乳製品のくさみ消しにも使われる。力強く引き締まった刺激的な味が魅力だが、中毒を起こすことがあるので、過剰摂取にはくれぐれもご注意を。
ひとクセある鶏のモツは、数種類組み合わせるのがおすすめ。肉と相性の良いナツメグが引き締める味わいは刺激的で、ケチャップや中濃ソースといった調味料も活きる。
鶏レバー、ハツ、砂肝など | 併せて250g |
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A | |
・ 玉ねぎ | 1/2個 |
・ ナツメグ | 小さじ1/2 |
・ 中濃ソース | 1カップ |
・ ケチャップ | 大さじ2 |
白ワイン | 1/2カップ |
レバーは一口大、ハツは縦に切り目を入れて開き、血の塊があれば取り除く。砂肝は食べやすく切り、かたい銀皮に細かく切り目を入れる。すべてを合わせ、たっぷりの水でサッと洗う。玉ねぎは薄めのくし形切りにする。
保存袋にAを併せる。
鍋に水2Lと白ワインを強火で沸騰させ、1のモツを入れて蓋をし、30秒たったら火を止めて10分おく。ザルにあげて湯をきり、2に加えて3時間以上漬け込む。
みずみずしい菜っ葉は、どすんと存在感のある半熟卵やオリーブオイルでこっくり味に。赤ワインの盟友にしてしまうナツメグの腕力をお試しあれ!
小松菜 | 2株 |
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卵 | 1個 |
ナツメグ | 小さじ1/3 |
塩 | 少々 |
オリーブオイル | 少々 |
小松菜は根元に切り目を入れて食べやすく裂き、長ければ半分に切る。
火にかけられる器か小鍋に1を敷き、ナツメグ、塩、オリーブオイルをふりかけ、卵を割り入れる。
蓋をして中火にかけ、卵が半熟になるまで加熱する。仕上げにナツメグ少々(分量外)をふりかける。
酒と料理をこよなく愛する家に育つ。出版社に勤めつつ二児を育て、料理家として独立。東京・日本橋「ギャラリーキッチンKIWI」で料理教室を主宰。手軽なのに華がある盛り上げレシピが得意。噺家・三遊亭遊雀を義兄にもち、定期的に「キウイ寄席」を開催。著書は『夜ふけのおつまみ』(KADOKAWA刊)など。ほかに「スヌ子のへべれけレシピ」(Amazonプライムビデオ)。
※この記事の内容は「技あり!dancyuスパイス」に掲載したものです。
文と構成:風来青 撮影:原田教正