だしの旨味がしみ込んだ、すっきりとした味わいの揚げ浸しです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
重なり合った奥行きのある色合いや、ニュアンスのある佇まいに惹かれて手に入れたものの、眺めるばかりだった辻野 剛さんのガラス鉢。空間に置くだけで空気を変えるほどの存在感があるけれど、野菜の揚げ浸しという日常のおかずを盛ってみたら、すんなりと受け入れてくれました。色が抜けることよりもすっきりとした味を優先して油抜きをした地味な色のなすも、この器に盛るとどこか華やいで見えるから不思議です。
なす | 4個(400g) |
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さやいんげん | 10本(筋を取る) |
サラダ油 | 適量 |
A | |
・ だし | 1カップ(鰹と昆布) |
・ みりん | 大さじ3 |
・ 淡口醤油 | 大さじ2 |
・ 砂糖 | ひとつまみ |
干し海老 | 小さじ1 |
なすといんげんは洗ってザルにあげ、水気をよく拭く。なすは竹串でたくさん穴をあける。湯をたっぷり沸かしておく。
170℃に熱したサラダ油になすといんげんを入れ、転がしながら1~2分素揚げする。網の上にあげて油をきってから網ごとシンクに置き、熱湯を全体にかけて油抜きをする。キッチンペーパーで表面を軽く押さえ、水気を取る。
鍋にAと2を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にする。落とし蓋をして弱火で10分煮る。
干し海老を加えて火を止め、蓋をしてそのままおく。常温まで冷めたら冷蔵庫で一晩ねかせる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「夏のレシピ」に掲載したものです。