ブルターニュ地方に古くから伝わる田舎菓子のファーブルトン。少し手間がかかりますが、もっちりとした食感が美味しい焼き菓子です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
ガラスのポットやティーカップは、フレッシュなハーブを入れてお湯を注ぐだけで絵になる美しさ。そんなクリアなガラスと、香ばしい焼き菓子との質感のコントラストは、ドラマティックで思わず見惚れてしまいます。もっちりとした食感がたまらないファーブルトンはプルーンやりんごが定番ですが、キウイで試してみたら大成功。きりっとした酸味がきいて、暑い時期でもおいしくいただける味わいになりました。
★ ドライキウイ | |
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・ キウイ | 2個 |
★ 生地 | |
・ 牛乳 | 160g |
・ 生クリーム | 160g |
・ バター | 20g |
・ 卵 | 2個 |
・ 砂糖 | 50g |
・ 塩 | 2g |
・ 小麦粉 | 90g |
★ 仕上げ | |
・ バター | 10個(5mm角に切る) |
・ ホワイトラム | 少々 |
キウイの皮をむき、厚さ1cmに切って天板に並べる。100℃のオーブンで60分加熱してドライにする。途中、30分で一度取り出し、天板を反転させて均等に乾かす。
小鍋に牛乳と生クリームを入れ中火にかけ、全体が沸騰したら火を止める。バターを加えて軽く混ぜ、常温に冷めるまでおく。
ボウルに卵を入れて泡立て器で溶きほぐし、砂糖と塩を加えて混ぜる。小麦粉を加え、ゴムベラで練らないように混ぜる。
2を少しずつ加えながら混ぜ、ザルなどでこす。冷蔵庫で1日ねかせる。
型にバター(分量外)をしっかりと塗り、砂糖(分量外)をまぶしてから冷蔵庫で冷やしておく。
4の生地を軽く混ぜてから、5の型に均等に流し入れる。1のドライキウイと仕上げ用のバター1個を1つずつのせ、ホワイトラムを1~2滴ふる。
170~180℃のオーブンで20分焼く。焼き終えたら一度取り出し、浮いてきた生地をフォークなどで沈め、天板を反転させてさらに20分焼く。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「夏のレシピ」に掲載したものです。