暖かい日のピクニックにぴったりの大人の行楽弁当です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
お花見やピクニックなど春の行楽シーンのお弁当は、新緑の風景にシックに映えるグレーのクロスの上に広げて。クロスを器の延長として扱うと、さらに器の楽しみが広がります。取り皿は、くまがいのぞみさんと安藤由香さん。豆の風味をさやから出る分まで余さず生かしつつ、豆を色あせずふっくらと仕上げる豆ご飯は、ぜひマスターしてほしい一品。たらの芽をおひたしにして、そのだしごと入れた卵焼きも大人の味わいです。
白米 | 2.5合 |
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もち米 | 0.5合 |
えんどう豆 | 250g(正味80g)(さや付き) |
塩 | 3g |
水 | 3カップ |
A | |
・ 酒 | 大さじ1 |
・ 淡口醤油 | 小さじ1 |
・ だし昆布 | 5cm |
米は洗ってザルにあげて水気をよくきる。もち米は洗ってぬるま湯に3時間つけ、ザルにあげて水気をよくきる。
えんどう豆のさやをむく。さやも豆もそれぞれさっと洗って水気をきる。豆に塩を混ぜ、1分おく。
鍋に水とさやを入れて強火にかける。沸騰したら火を弱め、10分ほど煮てさやを取り出す。そこに豆を入れ、ややかためにゆで上げる。
鍋底を水につけて急冷し、冷めたら豆を引き上げる。ゆで汁はとっておく。別のボウルに水(分量外)を入れ、豆をつけておく(豆が空気に触れるとしわができるので)。
ゆで汁を550ml量り(足りなければ水を足す)、米ともち米をつける。 Aを加え、1時間ほどおく。
5を炊き、蒸らし終えたら、だし昆布を取り除き4の豆を水からあげて、混ぜ込む。
★ ヒレカツ | |
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・ 豚ヒレ肉 | 120g(塊) |
・ 卵 | 1個 |
・ 小麦粉 | 25g |
・ 塩 | 適量 |
・ 黒胡椒 | 適量 |
・ 生パン粉 | 適量 |
・ 揚げ油 | 適量 |
角食パン | 4枚(厚さ1.8cm程度) |
無塩バター | 適量(室温にもどす) |
マスタード | 適量 |
ウスターソース | 適量 |
豚肉を60gずつに切り分け、繊維が横向きになるようにまな板に置く。厚さが1.5cmくらいになるまで肉たたきでたたき、形を整える。
卵をよく溶きほぐし、小麦粉を加え、泡立て器でしっかりと混ぜ、ザルでこす。
1の両面に塩、黒胡椒をしっかりとふり、小麦粉(分量外)を薄くはたく。2の卵液にくぐらせ、余分な卵液を落とす。
バットにパン粉を入れ、3を入れて2~3回裏返しながら、上からしっかり押さえて密着させる。
165℃に熱した揚げ油に4を入れ、こんがりきつね色になるまで6~8分揚げ、油をよくきる。
食パンの片面にバターとマスタードを全体に薄く塗る。5のヒレカツをウスターソースに2~3回くぐらせる。
ヒレカツを食パン2枚でサンドし、少し押さえて、30分くらいなじませてからカットする。
卵 | 3個(常温にもどしておく) |
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たらの芽 | 15~20本(小) |
A | |
・ だし | 1カップ |
・ みりん | 小さじ1 |
・ 塩 | 少々 |
・ 砂糖 | 少々 |
油 | 適量 |
たらの芽は根元を浅く切り落とし、はかまを取り除く。切り口に包丁で浅く一文字(大きいものは十字)に切れ目を入れる。
ボウルに氷水を用意しておく。鍋にたっぷりの湯を沸かし、1をゆでる。小さいものは10秒ほどでゆで上がるので、氷水のボウルに放って粗熱を取る。
水気をキッチンペーパーでよく拭き取り、A(密閉容器かバットに混ぜ合わせておく)につけ、冷蔵庫で3時間以上おく。
ボウルに卵を割り入れ、箸を立てて手早くかき混ぜる。白身はちぎるように混ぜる。3のつけ汁80mlを加え、さらに混ぜる。
玉子焼き器を強めの中火で熱し、油を入れ、4をお玉1杯流し込む。大きな気泡をつぶしながら焼き、表面が半熟になったら、奥にたらの芽を並べ、手前に向かって三つ折りに巻く。巻いたものを奥に寄せ、あいた部分にまた油をひく。卵液をお玉にとって流し込み、巻いたものを少し持ち上げて下にも流し入れる。
大きな気泡をつぶしながら焼き、表面が半熟になってきたら、奥から手前に二つ折りにたたむ。これを繰り返し、焼き上がったら食べやすい大きさに切る。残りのたらの芽はおひたしとしていただく。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。