食への愛が溢れるフランスの家庭料理
レモンの爽やかな香りが立ち上る"マドレーヌ"

レモンの爽やかな香りが立ち上る"マドレーヌ"

カリッと焼けた表面を割ると、はらりと口溶けのよい生地から、レモンとはちみつの甘く爽やかな香りが立ち上ります。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“マドレーヌ”のつくり方

食後はもちろん、おやつに熱い紅茶やコーヒーと一緒にいただく、焼きたてのマドレーヌの味わいは格別です。

材料材料 (7×4cmのマドレーヌ型*1 12個分)

1個
薄力粉50g
ベーキングパウダー2g
バター40g(食塩不使用)
グラニュー糖30g
レモンの皮1/2個分(すりおろし)
はちみつ*2大さじ2

*1 マドレーヌ型がない場合は、アルミのカップなどを使ってもよい。
*2 はちみつはどれでもよいが、柑橘の花のものが特におすすめ。

1下ごしらえ

型の準備をする。バターを耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジに30秒ほどかけて溶かし、そこから少量を刷毛に含ませ、型の内側に薄く塗る。その上から薄力粉(分量外)を茶こしに入れてふり、型を逆さにして台にトントンと打ちつけて余分な粉をはらい、使うまで冷蔵庫に入れておく。溶かしたバターはそのまま冷ましておく。

2レモンの皮をすり混ぜる

バットにグラニュー糖とレモンの皮を入れ、グラニュー糖の色がレモン色に染まるまで、ゴムベラでしっかりとすり混ぜておく。薄力粉とベーキングパウダーは合わせてふるう。

レモンの皮をすり混ぜる
あらかじめ、グラニュー糖にレモンの皮のすりおろしをしっかりとすり混ぜる。順番に材料を混ぜていくだけのシンプルな菓子も、このひと手間で風味が格段にアップ。

3泡立て器で混ぜる

ボウルに卵と2のグラニュー糖、はちみつを入れ、泡立て器でよく混ぜる。2の薄力粉とベーキングパウダーも加え、ゴムベラで粉っぽさがなくなるまで混ぜたら、1で冷ましておいたバターを加えてさらに混ぜる。

4焼く

3を1で準備しておいた型にそれぞれ8分目ほど入れ、210℃に予熱したオーブンで4分、その後、170℃に下げて4〜5分焼く。焼き上がったら、熱いうちに型からはずし、網にのせて冷ます。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。