食への愛が溢れるフランスの家庭料理
甘酸っぱさが弾ける"いちごのファール"

甘酸っぱさが弾ける"いちごのファール"

ドライプルーンでつくるファール・ブルトンを、季節のいちごでつくりました。もちもちっとした、ういろうのような食感から甘酸っぱさが弾けます。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“いちごのファール”のつくり方

フランスではクラフティーやファール、フランといった、粉と卵、牛乳の生地を焼き上げたお菓子も定番。粉の量など、配合により呼び方や食感が変わります。

材料材料 (18.5×12×高さ2.5cmの耐熱容器1台分)

いちご10粒
2個
生クリーム100ml
薄力粉20g
グラニュー糖50g
バニラビーンズ*1/4本
キルシュ小さじ1(なくても可)

*バニラビーンズがない場合はバニラオイル少々で代用する。

1生地をつくる

ボウルに卵を割りほぐし、グラニュー糖を入れてよく混ぜたところへ、薄力粉を加え、さらによく混ぜる。

2バニラビーンズを加える

バニラビーンズはさやを縦半分に切り、包丁の先で中の粒をかき出してさやごと1に入れる。キルシュ、生クリームを加えてよく混ぜ合わせ、バニラビーンズのさやを取り除く。

3オーブンで焼く

耐熱容器に2を流し入れ、180℃に予熱したオーブンで20分焼く。この間にいちごのへたを取って縦半分に切り、20分たったところで生地の中央にいちごを散らす。

オーブンで焼く
いちごやオレンジなど、水分の多いフルーツは、生地に4割ほど火が通ったタイミングでのせるといい。水気が出てベチャベチャにならないよう、しっかりと焼き上げる。

4仕上げ

再度オーブンに入れ、生地が固まるまでさらに20分ほど焼く。途中、焼き色が濃くなりすぎるようなら170℃に温度を下げるが、ごくしっかりと焼き色をつけるのがフランス流。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。