食への愛が溢れるフランスの家庭料理
ビターチョコレートでつくる大人の味わい"ムース・オゥ・ショコラ"

ビターチョコレートでつくる大人の味わい"ムース・オゥ・ショコラ"

空気を含んだ、やわらかくなめらかなムースが舌の上でスッと溶け、くるみとプルーンがアクセントに弾けます。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“ムース・オゥ・ショコラ”のつくり方

食後は、まだワインを楽しみたい人はチーズをつまみ、そしてお待ちかねのデザートタイム。前菜、主菜をたっぷりと食べた後でも、甘いものを口にしなければ食事を締めくくることはできません。フランスの人たちは、チョコレートが大好き。ムースやタルトなど、チョコレートを使ったデザートは老若男女問わず大人気です。

材料材料 (容量80mlのデミタスカップ4個分)

ビターチョコレート*50g
クルミ20g
ドライプルーン2個
1個
生クリーム50ml
ブランデー少々
グラニュー糖大さじ2
カカオパウダー少々
粉砂糖少々

*︎チョコレートはカカオ分67%のタブレット状のクーベルチュール(製菓用チョコレート)を使用。板状のものを使う場合は細かく刻む。

1チョコレートを溶かす

湯煎用の鍋にたっぷりの湯を沸かして火を止める。鍋の上にちょうどのる大きさのボウル(内部の水気をしっかりと拭いておく)にチョコレートを入れ、10分ほどそのままにして、ゆっくりとチョコレートを溶かす。

2クルミを煎る

クルミは手で粗く砕き、フライパンに入れてごく弱火にかけ、香りが立ってくるまでゆっくりと煎る。または150℃に予熱したオーブンで10分ローストする。プルーンは粗みじん切りにし、クルミとともにデミタスカップの底に等分に入れる。

3卵黄を加える

卵を卵白と卵黄に分ける。1のボウルを湯煎からはずし、生クリームを加えてよく混ぜたところへ、卵黄とブランデーも加えてよく混ぜる。

4メレンゲをつくる

別のボウルに卵白を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜたところへグラニュー糖を加え、ツノが立つまでしっかりと泡立ててメレンゲをつくる。メレンゲの1/4量を3に加え、泡立て器でよく混ぜ合わせてから、ゴムベラで残りのメレンゲを加えてさっくりと混ぜ合わせる。2のカップに等分に入れ、ラップをかけて冷蔵庫で1時間ほど冷やす。

5仕上げ

4を食べる20分前に冷蔵庫から取り出し、表面にカカオパウダーをふり、粉砂糖をふる。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。