食への愛が溢れるフランスの家庭料理
パプリカの甘い風味が食材を引きたてる"めかじきのバスク風煮込み"

パプリカの甘い風味が食材を引きたてる"めかじきのバスク風煮込み"

甘く心地よい風味の、魚と野菜を軽く煮込んだひと皿は、日本の食卓にもすんなりとなじみます。フランスと深くかかわり、グランメゾンから家庭の料理まで広く精通しているサルボ恭子さんに、長く愛され続ける家庭料理を習いました。

“めかじきのバスク風煮込み”のつくり方

生のパプリカとパプリカパウダーに、トマト、にんにく、エスプレット唐辛子などを使うのがバスク風。甘いパプリカの食感と風味が香ばしいめかじきにからみ、全体をまとめます。本来はまぐろの赤身や、鶏のもも肉を使うのが定番。

材料材料 (2人分)

めかじき2切れ(1切れ120g)
小さじ1/5(魚用)
胡椒適量
パプリカパウダー*小さじ2と1/2
EXVオリーブオイル大さじ1
パプリカ2個(1個135g)(赤)
ピーマン4個
にんにく1個分(粗みじん切り)
トマト小2個(約200g)
小さじ1/2
150ml
エスプレット唐辛子少々(ピモン・デスプレット)

*パプリカパウダーは香りのよいスモークタイプを使用。なければ普通のパプリカパウダーでよい。

エスプレット唐辛子

エスプレット唐辛子
フランスの南西部、エスプレット村名産の唐辛子。おだやかな辛味で、独特の風味がある。ない場合は一味唐辛子少々で。

1下ごしらえ

パプリカとピーマンは縦半分に切ってへたと種を取り除き、幅1.5cmに細長く切る。トマトは横半分に切ってへたと種を取り、2cm角に切る。

2めかじきを焼く

めかじきに塩、胡椒、パプリカパウダー小さじ1/2をまんべんなくふる。フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、熱くなったらめかじきを入れる。30秒ほど焼いたらひっくり返し、裏面もさっと焼いて取り出し、いったん火を止める。

3蒸し焼きにする

あいたフライパンににんにくと1のパプリカ、ピーマン、トマト、塩を入れて弱火にかける。全体を混ぜて蓋をし、2~3分蒸し焼きにする。

4仕上げ

3に2のめかじきを戻し入れ、水を加える。沸いてきたら蓋をし、3~4分煮たらパプリカパウダー小さじ2を入れて全体になじませ、火を止める。煮汁の味をみて、足りなければ塩(分量外)でととのえる。器に盛り、エスプレット唐辛子をふる。

完成

教える人

サルボ恭子 料理家

サルボ恭子 料理家

料理家の叔母に師事したのち、渡仏。パリの名門ホテル「オテル・ド・クリヨン」の厨房に勤務。現在は東京で料理教室を主宰。フランス家庭料理を軸に、さまざまなテーマで活動する。著書も多数。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

この記事は四季dancyu「春のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)
鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。