器を引き立たせるレシピ
シンプルで濃厚な"半熟卵のカルボナーラ"

シンプルで濃厚な"半熟卵のカルボナーラ"

生クリームを使わずシンプルに、でもねっとりと濃厚な美味しさがあるカルボナーラです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。

シンプルなランチこそ映える“半熟卵のカルボナーラ”

白漆の器は、漆の樹液の透き通った茶色に白の色粉を混ぜて塗られているため、使い込んでいくうちに、より白くグレイッシュに変化していきます。中世の古道具のように味わいがあり、清らかで綺麗な器だと私たちが惚れ込んでいる山本美文さんの白漆の器には、シンプルなカルボナーラを。生クリーム不使用のストイックなレシピは、一度につくるのは最大2人前までが限度。なぜなら、集中して手早く一気に仕上げるのが成功の秘訣だから。

材料材料 (1人分)

タリオリーニ90g(またはフェットチーネ)
ゆで卵1個(かなりやわらかい半熟)
溶き卵1/2個分(常温にもどしておく)
塩豚またはベーコン20g(5mm角に切る)
ペコリーノロマーノ15g(すりおろし)
オリーブオイル大さじ2
にんにく1片分(細かいみじん切り)
黒胡椒少々(粗く刻む)
粒の大きな塩少々

1パスタをゆでる

鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(材料外)を入れてパスタを袋の表記どおりにゆでる。

2ソースをつくる

直径30cmほどのなるべく大きなボウルにペコリーノロマーノと溶き卵を入れ、ざっくりと混ぜ、片側に寄せておく。そのままコンロのそばの、温かいところに置いておく。

3塩豚を炒める

フライパンにオリーブオイルと塩豚を入れて中火にかけ、脂身が透明になり溶けてくるまで炒める。にんにくを加え、薄く色づいたら火を止める。

4ソースを仕上げる

3を2のボウルのあいたスペースに入れる(卵液に火が通らないように)。

5パスタを混ぜる

パスタがゆで上がったらザルにあげて水気をよくきる。4のボウルの中身をさっと混ぜ合わせたところにパスタを入れ、5秒ほど待ってからスパチュラで側面からすくい上げるように5~6回混ぜる(混ぜすぎるとソースが水っぽくなるので注意)。

6器に盛る

器に盛り、殻をむいたゆで卵を上にそっとのせ、包丁でそっと切れ目を入れる。黒胡椒と塩をふり、ペコリーノロマーノ(分量外)をさらにおろしかける。

完成

教える人

オカズデザイン

2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。

文:藤井志織 写真:伊藤達也

この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。

四季dancyu「春のキッチン」
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A4変型判(120頁)
2021年3月13日発売/1100円(税込み)