たまにはゆっくり時間をかけて、ラグーソースをつくってみるのはいかがですか?タコとセロリをじっくり煮込むだけで、柔らかくて格別美味しいラグーソースが出来上がりますよ。パスタが主食のデザイナー・ハヤシコウさんに、パパっとつくれるシンプルなパスタを習いました。この週末のランチにつくってみませんか?
ミラノの大好きなレストランの名物料理にタコとジャガイモを煮ただけの一皿がある。柔らかく煮上がったタコはもちろんのこと、タコの旨味を十二分に吸ったジャガイモがまた良い。お皿にはないけれど、セロリを一緒に煮るのがコツだそう。それ以降、タコの料理を作る時は必ずセロリも一緒にしている。パスタのソースなので、ジャガイモは使わず、タコの旨味をパスタと一緒に。パスタなんだけど、タコを頬張っているようなイメージのパスタです。
タコにあわせるワインは、やっぱり「グレコ・ディ・トゥーフォ」でしょ。南イタリアの主にカンパーニャ州で栽培されているグレコ種は、その名の通り古代ギリシャが起源のブドウ。ミネラル豊かでしっかりとした辛口の白ワインなので、タコはもちろん、イカや甲殻類にも好相性です。この日ばかりは、イタリアでなくエーゲ海を想いながら。
パスタ | 160g(1.45mm) |
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ゆでタコ | 150g |
セロリ | 1/2本 |
パッサータ | 100cc |
オリーブオイル | 適量 |
塩 | 9g |
セロリの軸と葉をそれぞれをみじん切りにする。フライパンにオリーブオイルを一回し入れ、セロリの軸を加えて炒め、軽く火が通ったら皿に取り出す。
ゆでダコをフードプロセッサーで細かく刻む。フライパンにそのタコと①のセロリの軸を加え、中火で炒める。
軽く炒めたらパッサータ(あらごしトマトピュレ)を加えて弱火で40分煮込む。一度タコが硬くなり、再び柔らかくなるまでじっくり煮込む。水分が足りなくなったら、適宜水を足そう。ちなみに、パッサータは非加熱で瓶詰めされるため、トマトの酸味が残っているのが特徴。パスタソースに酸味は欠かせないので、加熱したトマト缶を使うのはNG。
鍋に3Lの湯を沸かし、塩とパスタを入れる。時々混ぜながら袋の表示通りにゆでる。
③のフライパンに①のセロリの葉と、パスタとゆで汁を加え合わせる。
器に盛り、仕上げにセロリの葉を散らし、オリーブオイルを回しかけたら完成。
人呼んで“日本人初のイタリア人”。イタリアを愛し、イタリアに魅せられて早28年。トスカーナ州ルッカでレストランのキッチンを、ロンバルディア州ソンドリオでレストランのサービスを、マルケ州ウルビーノで美術学校で印刷技術と広告デザインを学び、現在はデザイナーとして活躍しながら、神奈川県・小田原のイタリア料理店「クインディチ」に立つ日もある。
撮影:海老原俊之 構成:編集部