dancyu3月号の第二特集「極上のあんこ」にて、感激の“あんこ×フレンチ”アイデアを教えてくれたパティスリー「Equal」の後藤シェフ。誌面に入りきらなかったもう1品をご紹介します。あんこの新しい可能性に開眼しますよ!
「実は僕、和菓子も好きなんです。たい焼きとか粟ぜんざいとか、夏なら水羊羹もよく食べますよ」
意外な告白をするのは後藤裕一シェフ。「Equal」といえば素材の味わいがピシッと立ったケーキが評判のパティスリー。そのシェフがあんこ好きだったなんてうれしい!
あんこ愛が深いだけに、考案してくれたつぶあんスイーツはどれも悶絶もの。本誌では紹介できなかった“あんこショコラショー”も一口目から目尻が下がりっぱなしでした。ショコラショーとはホットチョコレートのことですが、ビターなチョコレートとあんこが溶け合って、飲み心地はほっくりまろやか。思えば、小豆とカカオは同じ豆仲間。合うのは必然なのかも?
「ポイントは仕上げに加えたグランマルニエ。チョコレートとあんこだけだとモヤッとした味になるのですが、お酒を入れるとキレが出るんです。グランマルニエがなかったら、ラム酒やブランデーでもいいですよ」
春近しといってもまだまだ寒いこの時季、あんことチョコレートのホットドリンクでほっこり温まってください。
つぶあん | 50g |
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クーベルチュールチョコレート | 60g(カカオ分70%) |
生クリーム | 60g(乳脂肪分35%) |
牛乳 | 200g |
グランマルニエ | 10g(*) |
*オレンジリキュール。なければブランデーやラム酒などでも代用可。
チョコレートを5mm角ぐらいに細かく刻む。
生クリームを小鍋に入れ、中火にかける。沸いたら火を止め、1のチョコレートを入れて溶かす。
ペースト状になり、表面にツヤが出てきたら牛乳(常温に戻さなくてOK)を注いで混ぜ、弱火にかける。泡立て器で絶えず細かく混ぜると、気泡ができてふわっとした口当たりになる。
湯気が立ったらつぶあんを加えて軽く混ぜる。飲みたい温度に温まったら、仕上げにグランマルニエを加えてカップに注ぐ。
東京・幡ケ谷のパティスリー「Equal」のオーナーパティシエ。フランスの「トログロワ」でシェフパティシエを務めた実力派。
文:上島寿子 写真:三浦英絵