なかなか献立にはでてこないくじらですが、缶詰を使えば手軽に調理できますよ。「缶詰は、食材のひとつとして生かせば、いいつまみになります」と、直さんこと神戸の人気割烹「玄斎」の上野直哉さん。鮭やいわしの水煮は、仕込みいらずで、調理のひと手間を請け負ってくれる。缶汁も骨も使えば、だしも不要で、短時間で本格酒場の味になる。いまや高級食材の「くじら」は、缶詰なら手が届き、お父さんが大好きなカレーや煮込みに早変わり。鮭、くじら、いわしでつくる鮮烈な品。おつまみ塾で学んで、さあ呑もう!
大根の皮も大和煮の汁も使う煮込み料理。素材を生かしきるテクニックで、居酒屋メニューが底上げされ、驚きのおいしさに。「缶詰の汁が煮こごりになっているので、自然にとろみがつくんです。いったん冷ますともっと旨くなります」ピリ辛味で芋焼酎を引き寄せる。
くじら大和煮缶 | 1缶(170g) |
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大根 | 250g |
醤油 | 大さじ1 |
豆板醤 | 小さじ1/4 |
白髪ねぎ | 少々 |
大根を3cmくらいの厚さに切り、皮をむいてから半月かいちょう切りにする。皮もとりおく。
鍋に、水500mlと①の大根と皮を入れて弱火で30分ほど煮る。
大根の皮を取り除き、くじら大和煮を缶汁ごと加え、醤油、豆板醤で味つけする。
さらに15分ほど煮込み、味をととのえて器に盛りつけ、白髪ねぎをのせる。
大阪の浪速割烹を確立した「㐂川」の創業者・上野修三氏の次男として生まれ、歳から京都「菊乃井」で三代目主人・村田吉弘氏に師事。6年にわたって研鑽を積む。2004年に神戸・北野に和食店「玄斎」を開店。優しい人柄と手をかけながら素材を際立たせる料理にファンが多い。
文:西村晶子 写真:福森クニヒロ