お父さんのための缶つま塾
香ばしく濃厚な"バター醤油照り焼き"

香ばしく濃厚な"バター醤油照り焼き"

濃い目の味つけでお酒がぐんぐん進むつまみです!「缶詰は、食材のひとつとして生かせば、いいつまみになります」と、直さんこと神戸の人気割烹「玄斎」の上野直哉さん。鮭やいわしの水煮は、仕込みいらずで、調理のひと手間を請け負ってくれる。缶汁も骨も使えば、だしも不要で、短時間で本格酒場の味になる。いまや高級食材の「くじら」は、缶詰なら手が届き、お父さんが大好きなカレーや煮込みに早変わり。鮭、くじら、いわしでつくる鮮烈な品。おつまみ塾で学んで、さあ呑もう!

いわしの水煮缶でつくろう

「加熱するとまったくくさみが感じられなくなり、青魚が苦手な人もいけます。味つけは、バター、生姜、梅……なんでもありです」と上野さん。バター醤油味ならキリッと冷えた日本酒と。濃いめの味つけなので、野菜を添えればおかずの一品になり、ご飯にもパンにも合う。

バター醤油照り焼きのつくり方

材料材料 (2~3人分)

いわし水煮缶1缶(150g)
大さじ1
醤油大さじ1/2
砂糖大さじ1/2
バター3g
キャベツ1/8個
少々
レモン適宜(好みで)

1煮る

フライパンか小鍋に、酒、醤油、砂糖、缶詰の汁大さじ1を入れて火にかけ、煮立ったらいわし水煮を加えて弱火で3分ほど煮詰める。

煮る

2煮詰める

バターを加えて、ゆすり混ぜながら、照りが出るまで煮詰めて仕上げる。

煮詰める

3キャベツを湯通しして仕上げる

別の鍋で塩を加えた熱湯にざく切りにしたキャベツを通して水分をよくきる。いわしとともに器に盛り、好みでレモンを搾る。

完成
缶詰の強みは、魚が骨まで食べられること。みんな大好きな至福の味、バター醤油は香りだけでお酒を誘い、レモンを搾るとなんとも爽やか。

教える人

上野 直哉( うえの・なおや)「玄斎」店主

上野 直哉( うえの・なおや)「玄斎」店主

●大阪の浪速割烹を確立した「㐂川」の創業者・上野修三氏の次男として生まれ、歳から京都「菊乃井」で三代目主人・村田吉弘氏に師事。6年にわたって研鑽を積む。2004年に神戸・北野に和食店「玄斎」を開店。優しい人柄と手をかけながら素材を際立たせる料理にファンが多い。

文:西村晶子 写真:福森クニヒロ

西村 晶子

西村 晶子 (ライター・編集者)

関西在住のライター、時々編集者。京都の和食を中心に、老舗から新店までを分け隔てなく幅広く取材。2006年8月号「明石の老舗に、至福の柔らか煮、タコ飯を習う」で初執筆。2018年5月号より「京都『食堂おがわ』の季節ごはん」、2021年5月号より「京都『食堂おがわ』の妄想料理帖」の連載を担当。