缶詰の汁まで使った、濃厚で旨味たっぷりの味噌は野菜にディップして、豆腐にのせてとアレンジ自由自在!「缶詰は、食材のひとつとして生かせば、いいつまみになります」と、直さんこと神戸の人気割烹「玄斎」の上野直哉さん。鮭やいわしの水煮は、仕込みいらずで、調理のひと手間を請け負ってくれる。缶汁も骨も使えば、だしも不要で、短時間で本格酒場の味になる。いまや高級食材の「くじら」は、缶詰なら手が届き、お父さんが大好きなカレーや煮込みに早変わり。鮭、くじら、いわしでつくる鮮烈な品。おつまみ塾で学んで、さあ呑もう!
「骨やゼラチンも入っているので、いわしの缶詰の汁はいいだしになります。捨てる手はないですよね」と上野さん。いわし味噌は、そのままはもちろん、野菜のディップや豆腐にのせたり、厚揚げにのせてねぎを添えたり、といろいろなつまみにアレンジができる。保存がきくので、常備して日本酒のあて味噌に。
いわし水煮缶 | 1缶(150g) |
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味噌 | 200g(米麹) |
酒 | 大さじ1 |
卵黄 | 1個分 |
砂糖 | 大さじ3 |
生姜 | 5g |
お好みの野菜 | 適量 |
小鍋に、味噌、缶詰の汁約半量、酒、卵黄、砂糖、生姜のスライスをよく混ぜ合わせて、弱火にかける。
焦がさないように注意して、絶えずかき混ぜながら5分ほど煮る。
いわし水煮をほぐしながら加え、さらに混ぜながら3分ほど煮る。
冷ましてから冷蔵庫に入れて半日おき、お好みの野菜に添えてディップのように使う。
●大阪の浪速割烹を確立した「㐂川」の創業者・上野修三氏の次男として生まれ、歳から京都「菊乃井」で三代目主人・村田吉弘氏に師事。6年にわたって研鑽を積む。2004年に神戸・北野に和食店「玄斎」を開店。優しい人柄と手をかけながら素材を際立たせる料理にファンが多い。
文:西村晶子 写真:福森クニヒロ