黒豆をマリネして洋風に仕上げます。白ワインのつまみに、サラダにと大活躍です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
この艸田(くさだ)正樹さんのガラスの茶壺は、そのまま飾りたくなるような静謐な佇まいですが、器に使っても面白いかなと思って手に入れました。蓋があると冷蔵庫にそのまま入れられるので、ちりめんじゃこや煮豆のような常備菜を入れても便利だし、食卓に出せばなんだか特別な感じを演出できます。黒豆は甘く煮るのもいいけれど、こんなふうに果汁とオリーブオイルでマリネに仕立てると、サラダ感覚でたくさん食べられますよ。
黒豆 | 1カップ(約120g) |
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★ マリネ液 | (混ぜ合わせておく) |
・ にんにく | 小1片分(すりおろし) |
・ 白ワインビネガー | 大さじ1/2 |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ エシャロット | 1本分(約10g)(粗みじん) |
オリーブオイル | 大さじ1~2 |
香菜 | 2本分(粗みじん) |
かぼす | 大さじ1(搾り汁) |
*塩は旨味のある海塩を。今回はゲランドを使用。
黒豆は軽く洗って大きめのボウルに入れ、たっぷりの米のとぎ汁(材料外)につけて半日おいてもどす。
豆がしわなくもどったら、鍋にとぎ汁ごと入れて強火にかける。沸騰したら中火に落としてアクを取り、紙蓋をしてごく弱火にし、1~3時間煮る。途中、豆が水面から出そうになったら適宜水を足す。
豆がやわらかくなったら火を止め、流水をかけ流す。やさしく混ぜて水が澄んだ状態になったら、ザルにあげて水気をきる。
さらしを敷いた蒸し器に3の豆を入れて30分蒸し、ボウルに取り出す。
熱いうちにマリネ液を注いで混ぜてから、オリーブオイルの半量を加えてさらに混ぜる。粗熱が取れたら冷蔵庫で1晩寝かせる。
香菜とかぼすの搾り汁を入れてよく混ぜ、残りのオリーブオイルを加えてさらに混ぜる。味をみて足りなければ塩や果汁(ともに分量外)でととのえる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。