里芋をまるごと使った斬新な一品。皮目がガリっと香ばしく美味。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
まるで焼き菓子のような、不思議な見た目の一品。実はこれ、里芋なんです。皮ごとよく洗い、細かく切り込みを入れて素揚げにするだけ。外側は薄切りにして揚げたようなパリッとした香ばしさで、中は丸ごと揚げたようなむっちりとした食感に。小ぶりなサイズの芋を選び、新鮮な菜種油を使って2度揚げするのがポイントです。大皿にたくさん盛ってもにぎやかですが、坂野友紀さんの真鍮の器に1つずつのせて塩をふったら、上等な雰囲気に。
里芋 | 小6個 |
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菜種油 | 適量 |
塩 | 少々 |
ボウルに2%の塩水(材料外)を500mlほど用意する。里芋はたわしで繊維を落とすようにこすりながら洗う(毛のような繊維がほとんど取れればOK)。ザルにあげて水気をきる。
1~2mm間隔に、端からまんべんなく、ただし底を切り落とさないように、包丁で切れ目を入れる。
2の里芋を1の塩水に15分ほど漬ける。流水でぬめりを落とし、キッチンペーパーで水気をよく拭き取る。時間があれば、1時間ほど干す。
揚げ鍋に3を入れ、油をかぶるまで注ぎ、中火にかける。180℃になったら温度をキープしながら切れ目に油を入れるようにして箸で広げながら、5分ほど揚げる。網にあげ、粗熱が取れるまでそのままおく。
180℃に熱した油に再び入れ、3分ほど揚げる。網にあげて油をきり、塩を軽くふる。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也
この記事は四季dancyu「冬のキッチン」に掲載したものです。