12月号「おいしい取り寄せ」特集で紹介した「長谷川農産」の巨大マッシュルーム。本誌には入りきらなかった魅惑のレシピをご紹介します。
「一度食べたら虜になる」というのが、静岡県・長谷川農産のマッシュルーム。大げさと思われますが、濃厚な味わいと香り、みずみずしさは他とは群を抜いています。そして直径9cmもある“ポットベラ”は、大きさもさることながら、スライスするたびに広がる妖艶な香りにクラクラです。おいしさの秘密を社長の長谷川光史さんに聞いて、大きく納得。
マッシュルームを育てるには温度と湿度のバランスが重要で、ハウスの中は一年中マッシュルームにとって心地のいい“秋”の気候を保っています。水は富士山の伏流水。もちろん化学肥料や農薬は使わず、無漂白で育てています。手塩にかけて育てられたマッシュルームですから、おいしさは折り紙付き。評判は料理人から火がつき、今では食いしん坊たちが通販で取り寄せるほどです。
このマッシュルームの最高の食べ方を指南していただいたのは、イタリア・フリウリ州の料理を提供する「NODO(ノード)」の浅野拓也シェフ。簡単につくれる前菜“マッシュルームと真鯛のタルタル”を指南いただきました。ポイントは「軽く火を通す」。生で食べてもおいしいマッシュルームですが、あえて火を通して香りを立たせます。後は下味をつけた鯛と合わせて、レモンを効かせたドレッシングを和えるだけです。
淡泊な味の鯛が、きのこの香りをまとってひと際華やかに。合わせた白ワインが進む、進む。プリッとした食感もアクセントになって、飽きずにペロリと完食してしまいました。シェフ、ありがとうございます!
マッシュルーム | 6個(ホワイト) |
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真鯛 | 90g(刺身用) |
A | |
・ レモン汁 | 少々 |
・ 粒マスタード | 小さじ1 |
・ イタリアンパセリ | 2本分(みじん切り) |
・ E.V.オリーブオイル | 10g |
塩 | 適量 |
胡椒 | 少々 |
マッシュルームと鯛は7mm角に切り、それぞれに塩少々をふる。
フライパンにオリーブ油少々を中火で熱し、1のマッシュルームをサッと炒めて粗熱を取り、冷やす。
ボウルに1の鯛と2のマッシュルームを入れ、Aを加えて混ぜ合わせる。味をみて、塩少々と胡椒で調える。器に盛ってE.V.オリーブオイル少々(分量外)をかけ、ハーブ(分量外)をのせる。
あさの・たくや●イタリア・フリウリ州の料理を提供するイタリアンのシェフ。きのこ好きで、メニューにスペシャリテも。
写真:伊藤菜々子 文:石出和香子