四角い土鍋という何ともユニークな鍋を使った一品です。きのこの旨味と香りが体にしみるおいしさです。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
土鍋はほとんどが丸いものばかり。だからこそ、市川孝さんのこんな四角い土鍋ってものすごく格好いいと思います。最近は直火にかけられる耐熱皿が増えているから、深いものはこうして土鍋として使うのもいいですね。鍋料理の定番、湯豆腐ですが、きのこやかぶおろしを加えると、滋味深いだしが出てしみじみとおいしいですよ。花椒油で食べると、ひと味違う無国籍な味わいに。
好みのきのこ4種程度 | 各50~60g(舞茸、エリンギ、本しめじ、きくらげなど) |
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木綿豆腐 | 1丁 |
昆布 | 1枚(12cm角) |
かぶ | 500g(または大根でも) |
ご飯 | 適量(軽く洗って、ザルにあげて水をきる) |
卵 | 1個 |
花椒油 | 適量 |
塩 | 適量 |
★ たれ | (1人分) |
・ 淡口醤油 | 大さじ1 |
・ かつお節 | 大さじ3 |
・ すりおろしたわさび | 少々(または柚子胡椒) |
土鍋に水1Lと昆布を入れ、3時間以上おく。
豆腐をしっかり水きりする。
きのこは汚れをキッチンペーパーで軽く拭き取り、石突きがあるものは切り落とし、食べやすい大きさに裂く。
かぶをすりおろす(汁もとっておく)。
たれを人数分、混ぜ合わせておく。寒い時期は、醤油を小鍋でほんのり温めてから合わせるとよい。
1の土鍋から昆布を取り出し、豆腐を中央に丸ごと入れる。4のかぶを汁ごと加え、弱火にかける。
ふつふつと沸いてきたら、3のきのこを加える。きのこに火が通ったら、豆腐を四方からすくうようにして小皿に取り、好みでかぶのすりおろし(材料外)、花椒油や塩、たれをつけながら食べる。
具を食べ終わったら、だしの味を塩でととのえ、ご飯を加えて中火で煮る。卵を溶いて回しかけ、火を止める。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也