収穫の秋をまるごと食卓に!
甘辛さが後を引く"牛しぐれ煮とれんこんのちらし寿司"

甘辛さが後を引く"牛しぐれ煮とれんこんのちらし寿司"

旬の素材を使った季節ごとのお寿司は、大きく盛りつければ、目を引くおもてなし料理にもなるので、いくつか知っているととても重宝するはずです。実りの秋です!旬の食材の風味を大切にした、季節の料理を料理研究家の植松良枝さんに習いました。

“牛しぐれ煮とれんこんのちらし寿司”のつくり方

秋の香りは黄菊にお任せ。香りもいいし、彩りも最高。牛肉を甘辛く炊いた「しぐれ煮」はご飯になじんで美味。もちろんボリュームもアップします。甘酢に漬けたれんこんもたっぷり添えました。

材料材料 (4人分)

★ 酢飯2合分
・ 米2合
寿司酢(よく混ぜ合わせておく)
・  米酢大さじ4
・  砂糖大さじ2
・  塩小さじ1と1/2
・ 白煎り胡麻大さじ1強
★ 牛肉のしぐれ煮
・ 牛肉200g(切り落とし)
・ 生姜1片分(みじん切り)
調味料
・  酒大さじ1
・  醤油大さじ2強
・  みりん大さじ2強
・ サラダ油少々
★ 酢ばす
・ れんこん150g(細め)
甘酢(よく混ぜ合わせておく)
・  酢1/2カップ
・  砂糖1/4カップ
・  塩小さじ1
菊の花8輪(食用)
★ 塩もみ野菜
紅芯大根、水菜合わせて150~200g
約小さじ1

1酢飯をつくる

洗った米を炊飯器に入れて酢飯の水加減をし、酢飯モードで炊く。炊きたてを飯台(またはボウル)に移し、寿司酢を回しかけてしゃもじで切るように混ぜ合わせ、粗熱が取れたら白煎り胡麻を加えて全体になじませる。

2牛肉のしぐれ煮をつくる

牛肉を幅1cmに切る。サラダ油をひいて中火に熱したフライパンに生姜を入れて炒め、牛肉を加えて炒める。牛肉の色が変わったら調味料を加えて汁気がなくなるまで炒め、バットに広げて粗熱を取っておく。

3酢ばすをつくる

れんこんの皮をむき、スライサーで厚さ2mmの輪切りにする。酢少々(分量外)を加えた湯で30~40秒ゆでて水気をきり、熱いうちに甘酢に漬けてマリネする。

酢ばすをつくる
薄くスライスしたれんこんはさっとゆでてすぐに水気をきり、熱いうちに甘酢に漬けると味がしっかりなじみます。

4菊をマリネする

菊の花は花びらをすべてはずし、酢適量(分量外)を加えた熱湯に入れ、ゆがいてザルにあげ、粗熱が取れたら水気を絞り、 3の甘酢に加えてマリネする。

菊をマリネする
菊の花は全体がしんなりするまでゆでます。酢を加えた湯に入れると、色が褪せずに鮮やかになります。
菊をマリネする
れんこん、菊の花とも甘酢に漬けてマリネします。盛りつけやすいように、それぞれをまとめて漬けるのがポイントです。

5塩もみ野菜をつくる

紅芯大根は薄いいちょう切り、水菜は幅1cmに切り、塩をふってもみ、出てきた水気をよく絞る。

6盛りつける

器に酢飯を広げて塩もみ野菜を散らし、酢ばすや菊の花、牛肉のしぐれ煮を彩りよく散らす。

完成
酢飯、具、酢飯、具というふうに2段仕立てにすると、食べたときの具の存在感が増します。半量の酢飯を盛り、半量の酢ばす、塩もみ野菜を散らし、牛肉、菊の花をあしらい、残りの酢飯を盛り、同様にして具をのせて。

教える人

植松良枝 料理研究家

植松良枝 料理研究家

季節の移ろいを愛してやまない料理研究家。人気の料理教室「日々の飯」主宰。料理だけではなく毎日の生活にも季節の彩りを添え、暦や月の満ち欠けも生活の節目として大切に考える。1歳半を迎える子供の離乳食にも季節を映すことを忘れず、家族で季節ごとの喜びを分かち合っている。

このレシピは四季dancyu「秋の台所。」に掲載されたものです。

四季dancyu「秋の台所。」
四季dancyu「秋の台所。」
A4変型 判( 120 頁)
2019年09月13日発売 / 1,100円(税込)

文:中村裕子 撮影:野口健志

中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。