ラム酒の香りが華やかな、しっとりとした基本のロールケーキのつくり方です。器と料理の組み合わせを提案する店「カモシカ」を主宰するオカズデザインさんに、器の紹介と、その器を引き立たせる、目にも舌にもおいしいレシピを教わりました。
オーバル皿って横や斜めに置くことが多いけれど、縦に配置するとぐっと新鮮な雰囲気に。器の端に盛りつけることで余白ができ、余裕を醸し出してくれるのです。昔懐かしいロールケ ーキは、ラム酒入りのクリームでちょ っぴり大人の味わいに。生地にも生クリームを入れることで、しっとりとした質感に仕立てました。分厚く切り分けたくなるおいしさです。
スポンジ生地 | (28×24cmが2枚分/残った生地は1カ月ほど冷凍保存可能) |
---|---|
・ 卵 | 5個 |
・ 砂糖 | 110g |
・ 薄力粉 | 75g |
・ 生クリーム | 50ml (乳脂肪分35%) |
★ クリーム | (スポンジ生地1枚分) |
・ 生クリーム | 200ml(乳脂肪分47%) |
・ 砂糖 | 16g |
・ ラム酒 | 小さじ1/2 |
オーブンを180℃に予熱する。天板2枚にオーブンぺーパーを敷く。紙の四隅が角になるよう、切り込みを入れて角をつくるとよい。作業する直前に卵を卵白と卵黄に分け、卵黄はザルでこす。小鍋に生地用の生クリームを入れ、コンロの上に置く。
ボウルにすべての卵白と砂糖の半量を入れ、ハンドミキサーの高速モードで撹拌する。2分ほどしてとろみがついてツヤが出たら、残りの砂糖を加えてさらに撹拌する。全体に筋目がしっかりつくくらい、もったりしてきたら、徐々に低速に落としつつ、全体をよく混ぜていく。最終的にツノがしっかり立つほどにする。
卵黄を加え、泡をつぶさないよう、スパチ ュラで下から大きくすくうように4~5回混ぜる(完全に混ざらなくてよい)。薄力粉をふるいながら加え、同様に下から大きく混ぜる。
生クリームの鍋を強火にかけ、縁が泡立 ったら火を止める。3を少量とって鍋に加え、軽くなじませてから、鍋の生クリームを3のボウルに入れる。スパチュラで全体をしっかり混ぜ合わせる。
天板に生地を半量ずつ流し入れる。スパチュラで手早く全体に平らにのばす(四隅にもバターナイフなどで生地を入れる)。中央が厚くなりやすいので注意。
予熱したオーブンに入れ、7分焼いたら天板の上下を入れ替え、向きを反転させる。さらに5分焼く。
オーブンから天板を出し、オーブンペーパ ーを生地全体にかぶせ、下に敷いたペーパーごと網の上に置く。こうすることで蒸されて、割れずにしっとりした仕上がりに。完全に冷めたら全体にラップをし、まな板などの上にのせたまま冷蔵庫に入れる。
ボウルにクリームの材料を入れ、ごくごくゆるく泡立てる。
オーブンペーパーを敷いたまな板の上に、 8の生地の1枚を茶色の面を下にして置く。巻き終わりになるところを斜めにそぎ落とす。クリームを生地の上にのせ、そいだところ以外に均等にのばす。しっかりめに巻き始め、巻き終わり部分(そいだところ)が真下にくるように置く。
オーブンペーパーを巻いたままラップをし、冷蔵庫で1晩ねかせる。端を切り落とし、食べたい大きさにカットする。
2000年、吉岡秀治・吉岡知子が結成。“時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに、書籍や広告のレシピ制作・器の開発・映画やドラマの料理監修などを手がけている。2008年より東京都杉並区にて、器と料理の店「カモシカ」を不定期でオープンし、作家の器の展示や季節の保存食の販売をはじめ、食にまつわる企画を開催。『二菜弁当』(成美堂出版)など著書多数。
文:藤井志織 写真:伊藤達也