市販のピザ生地とバゲットが、短時間で驚きの旨さに!東京・西麻布「エネコ東京」の総料理長・磯島仁さんに教わるビールのつまみレシピ。第3回のテーマはピザとパン。パパッとつくれるスペイン三つ星の美味で、おいしいビールをどうぞ。
休日はいいとして、平日は料理にかける時間があまりない。でも、おいしいビールとつまみは楽しみたい。そんなシチュエーションに使えるレシピを考えました。
“夏のビールのつまみ”を1回2品、5回連続で計10品のレシピを紹介するシリーズ。第3回は、市販のピザ生地とパンでパパッとつくれるレシピを紹介します。
まず、ピザもパンも小麦粉からつくられているので基本的にビールとの相性はいい。ただ、つまみとしてどうしてもほしいのは “プラス素材感”です。
時間をかけずに素材を感じてもらい、ビールと一緒に贅沢な気分を味わっていただくにはどうしたらいいだろう?そのために今回は、缶詰の活用と時短調理に工夫をしました。
1品目の“サバ缶とオリーブのピザ”は、買ってきたピザ生地に素材をのせて焼くだけ。10分もあれば完成です。ビールとのペアリングで言うと、味の軸はサバ缶。青魚のサバを焼いたときのほろ苦さとオイルのコクが、ビールとよく合うんです。
2品目の“夏野菜コンフィのオープンサンド”は、夏野菜のアヒージョをサンドイッチにして香ばしく焼いたイメージ。野菜を刻むことで、短時間でコンフィ(オイル煮)が出来上がります。
ともに味の強いソースやチーズはあえて使わず、素材感を際立たせました。ビールとの相性は、ばっちりなはずです。
トマトソースもチーズも使わない“白いピザ”。素材感がみずみずしく、1人で1枚食べても食べ飽きないおいしさ。ビールに合う!
ピザ生地 | 1枚(直径21cm) |
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玉ねぎ | 1/2個(スライス) |
トマト | 1/2個(スライス) |
サバ缶 | 1缶(オイル漬け。身をほぐす) |
オリーブ | 5粒(黒でも緑でも可。厚めのスライス) |
A にんにくオイル | |
・ にんにく | 2片(みじん切り) |
・ サバ缶のオイル | 適量 |
らっきょう漬け | 適量 |
粒の塩 | 適量(粗塩でも可) |
ピザ生地の上に、玉ねぎ、トマト、サバ缶の身、オリーブ、混ぜ合わせたAを散らす。
1をオーブントースターやオーブンで焼く(時間はピザ生地の焼き時間参照)。
焼き上がった2を器にもり、花びらのようにほぐしたらっきょう漬け、粒の塩をアクセントとして散らす。
イメージは、夏野菜のアヒージョのピンチョス。口の中に入る野菜の組み合わせで味が変わり、食べ飽きない。ビールとの相性は抜群!
バゲット | 1/2本(小) |
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A 野菜 | |
・ マッシュルーム | 1パック(6個)(約5mm角に切る) |
・ 赤パプリカ | 1/2個(約5mm角に切る) |
・ 黄パプリカ | 1/2個(約5mm角に切る) |
・ ズッキーニ | 1本(約5mm角に切る) |
・ 玉ねぎ | 1/2個(約5mm角に切る) |
にんにく | 3片(スライス) |
鷹の爪 | 1/2本(種を取る) |
アンチョビ | 1本 |
オリーブオイル | 1と1/2カップ(サラダ油でも可) |
塩 | 適量 |
ボウルにAの野菜を入れ、塩少々をふって軽く混ぜ、約10分置く。
フライパンにオリーブオイル、鷹の爪、にんにくを入れて弱~中火にかけ、香りが出たらアンチョビを加えて軽くほぐす。全体がなじんだら1を入れ、約10分間煮たら火を止めて、常温まで冷ます。
バゲットは厚みを半分に切ってから一口大に切り、3をのせてオーブントースターやオーブンで焼く。
1975年、秋田県生まれ。レストラン「クイーン・アリス」で料理人としてのキャリアをスタート、2006年には舞浜店の料理長に就任する。2014年「日比谷パレス」料理長。その後、スペイン・バスク地方のミシュラン三つ星レストラン「アスルメンディ」で4カ月間の研修を経て、2017年「エネコ東京」総料理長兼支配人。エネコ・アチャ氏より、絶大な信頼を受ける。
ENEKO Tokyo (エネコ東京)
【住所】東京都港区西麻布3‐16‐28 TOKI‐ON西麻布
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写真:牧田健太郎