ほんのひと工夫で、いつものステーキと餃子が大変身!スペインのミシュラン三つ星シェフが東京にオープンした「エネコ東京」の総料理長・磯島仁さんに教わるビールのつまみレシピ。毎日更新、第2回のテーマはステーキと餃子。意外?な食材も登場。夏のビールがますますおいしく楽しめます。
とかく体力が落ち気味な夏。お肉をしっかり食べたいのだけれど、食欲が今ひとつ……。そんなときに、ぜひ覚えておいてほしいのが酸味の使い方です。
“夏のビールのつまみ”を1回2品、5回連続で計10品のレシピを紹介するシリーズ。第2回のテーマは、ステーキと餃子をお届けします。
酸味と言うと、酢は苦手という方もいらっしゃると思います。そこで一つ目のお薦めは、酸っぱさを感じさせない酢の使い方。酢は加熱すると酸味の角が取れ、爽やかな風味と旨味に変わって、油(脂)をさっぱりとさせる効果があります。
1品目の“ビーフステーキ 夏野菜のさっぱりソース”では、たっぷりの夏野菜に酢を少し入れて加熱、さらに粒マスタードも加えて食べごたえのあるソースにしました。肉、夏野菜、ビール──。夏の農園でバーベキューを楽しんでいるイメージです。
2品目の“三角餃子 ザーサイとトマトのソース”では、ソースにザーサイを使うのがポイント。ザーサイに限らず漬物には、発酵由来の丸い酸味が生きているので、焼き餃子の油をさっぱりとさせてくれる効果があるのです。
ステーキも焼き餃子もしつこくない、軽やかな味わいに仕上がっているはずです。夏のビールがさらにおいしい、爽やかなペアリングをお楽しみください。
発想は、夏の農園でのバーベキュー。トマト、パプリカ、なす、ズッキーニ……。採れたての夏野菜をステーキと一緒に味わうイメージで、ビールとのハーモニーを楽しみます。
牛ステーキ肉 | 2枚 |
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A 野菜 | |
・ 玉ねぎ | 1/2個 |
・ 赤パプリカ | 1/2個 |
・ なす | 1本 |
・ ズッキーニ | 1/2本 |
・ トマト | 1/2個(湯むきして種を取る) |
にんにく | 1片(みじん切り) |
オリーブオイル | 大さじ1と2/3(25ml)(サラダ油でも可) |
赤ワインビネガー | 大さじ1/2(酢でも可) |
粒マスタード | 適量 |
塩 | 適量 |
胡椒 | 適量 |
Aの野菜は、それぞれ約1cm角の角切りにする。
フライパンにオリーブオイル、にんにくを入れて中火にかけ、香りが出たら1の玉ねぎを入れ、塩少々(ほんの一つまみ)を加えて炒める。
玉ねぎに透明感が出たら、1の赤パプリカを入れて塩少々、なすを入れて塩少々、ズッキーニを入れて塩少々をして炒め、水分を飛ばしながら味を凝縮させていく。
最後にトマトを加えて塩少々をし、さっと炒め合わせる。ここまで、炒め時間は10分が目安。
2に赤ワインビネガーを入れて少し加熱したら、味見をし、塩味が足りなければ塩で味を調える。次いで粒マスタードを加えてすぐ火を止め、全体を軽く混ぜ合わせる。
牛ステーキ肉は常温に戻しておき、塩をしてフライパンで焼く。
両面にしっかり焼き色をつけたら火から下ろし、胡椒をし、温かいところで休ませて余熱で火を入れる。
器に3と4を盛り合わせ、好みでベビーリーフ(分量外)を添える。
三角餃子は、ヒダをつくらなくて済むため、包み方が簡単。モチモチの皮からたっぷりの肉汁があふれます。ザーサイとトマトのソースだけつくり、市販の餃子に合わせるだけでもいつもと違うおいしさに。胡桃のコクと食感がさらに、ビールを引き立てます。
餃子の皮 | 10枚 |
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豚ひき肉 | 200g |
A 豚ひき肉の下味 | |
・ 塩 | 小さじ1/2弱(2g) |
・ 醤油 | 大さじ1/2強(10g) |
・ 生姜 | 小さじ1/2強(3g)(すりおろし) |
・ 黒胡椒 | 適量 |
長ねぎ | 1/3本(みじん切り) |
にら | 1/4束(小口切り) |
水 | 1/2カップ |
B 水溶き小麦粉 | |
・ 小麦粉 | 大さじ1 |
・ 水 | 大さじ1 |
C ソース | |
・ トマト | 1/4個(湯むきして種を取る) |
・ ザーサイ | 20g(胡瓜醤油漬け、壺漬け、福神漬けも可) |
・ オリーブオイル | 大さじ1強(15g)(サラダ油でも可) |
・ 粒マスタード | 小さじ2弱(10g) |
オリーブオイル | 適量(サラダ油でも可) |
熱湯 | 1/2カップ |
胡桃 | 適量 |
ボウルに、豚ひき肉、Aを入れて混ぜ合わせたら、長ねぎ、にらを加えてしっかり混ぜる。
全体が混ざったら、水を5回に分けて入れながら混ぜ、餡に水をたっぷり含ませていく。最後にオリーブオイル大さじ1を加え、混ぜ合わせる。
餃子の皮に1を適量のせ、皮の縁にBを混ぜた水溶き小麦粉を塗り、三角形の巾着をつくるように包む。
Cのトマトとザーサイは約5mm角に切り、Cの他の材料と混ぜ合わせてソースをつくる。
フライパンにオリーブオイルをひき、2の平面を下にして並べたら中火にかける。1分焼いたら熱湯を入れ、すぐ蓋をして4~5分蒸し焼きにしたら出来上がり。
器に4をのせ、3をかけて、胡桃を添える。
1975年、秋田県生まれ。レストラン「クイーン・アリス」で料理人としてのキャリアをスタート、2006年には舞浜店の料理長に就任する。2014年「日比谷パレス」料理長。その後、スペイン・バスク地方のミシュラン三つ星レストラン「アスルメンディ」で4カ月間の研修を経て、2017年「エネコ東京」総料理長兼支配人。エネコ・アチャ氏より、絶大な信頼を受ける。
ENEKO Tokyo (エネコ東京)
【住所】東京都港区西麻布3‐16‐28 TOKI‐ON西麻布
【電話番号】03‐3475‐4122
写真:牧田健太郎