ほたては油に漬けるだけで、長持ち&濃厚な味わいになります。保存方法としてだけでなく、ほたてを美味しく食べる手軽な方法なので是非お試しあれ。食卓でおなじみの貝の両雄、あさりとほたて。素材の旨味を逃さず、メニューの幅がぐんと広がる、とっておきの調理法を伝授します!貝だけど、目からウロコが落ちますよ。
今回ご紹介する「オイルほたて」。読んで字のごとく、ほたて貝柱をサラダ油に漬け込むだけ。なんともシンプルな調理法だが、「チンあさり」に負けず劣らず、いいことだらけなのだ。
いいことその1、「ほたてが長持ち」。生のほたては本来その日のうちに食べきりたいもの。解凍した冷凍ほたても同様だ。しかし、サラダ油に漬けてしまえば、鮮度を損なわずに1週間ほど保存できる。「油が空気を遮断して、ほたての酸化や腐敗を防いでくれるんです」と瀬尾さん。
いいことその2、「濃厚な味になる」。油に漬けることで、ほたての旨味が増して味が濃くなっていく。瀬尾さん曰く「まるで熟成したよう」。食感もまた、よりねっとりと変化する。
いいことその3、「食べ方自在」。油を拭き取ればそのまま刺身にもなるし、軽く焼いたり揚げたりするだけで立派なおかずやつまみの出来上がり。「オイルほたて」は使い勝手もピカイチなのだ。
刺身用ほたて貝柱 | 6個(約90g(生でも冷凍でも可)) |
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サラダ油 | 適量(オリーブオイルは冷蔵庫で固まるので×) |
冷凍のほたて貝柱の場合は、凍ったままボウルに入れ、流水に1分ほど当てて表面の霜を取る。
ほたて貝柱の水気を拭き、小さめの保存容器に入れる。ほたて貝柱が完全にかぶるまでサラダ油を注ぎ、蓋をして冷蔵庫でねかせる。
サラダ油に漬けてから4日目が食べ頃。7日目までに食べ切る。
キッチンペーパーでオイルほたてのサラダ油を拭き取り、厚みを半分に切って器に盛る。わさびは好みで、付け合わせにはゆでた水菜を添える。ただの刺身とは異なる、ねっとり&濃厚な味をご堪能あれ。
シンプルなレシピの中に誰でもおいしく失敗なくつくれるコツが満載!貝のレシピにも驚きのアイデアが。『ねぎのレシピ』『みその料理帳』ほか著書多数。
文:佐々木香織 写真:飯貝拓司
この記事はdancyu2015年5月号に掲載したものです。