食卓でおなじみの貝の両雄、あさりとほたて。素材の旨味を逃さず、メニューの幅がぐんと広がる、とっておきの調理法を伝授します!貝だけど、目からウロコが落ちますよ。
好きなあさり料理の筆頭に挙げられる“あさりの酒蒸し”。あさりを蒸し煮にするだけだが、自分でつくるとなると尻込みする人も多い。「鍋で蒸すのが難しいと感じるのでしょう。蓋をするので、あさりが見えないのも不安なのでは」と料理家の瀬尾幸子さん。そんな人にお薦めの酒蒸しが「チンあさり」だ。
その名の通り、あさりと酒を耐熱ボウルに入れ、ラップをかけて電子レンジでチンするだけ。いたって簡単だ。身が硬くなるかと思いきや、ふっくら柔らかく蒸し上がる。鍋で蒸すのと異なり、旨味を含んだあさりの汁が蒸発しすぎる心配もない。レンジの扉越しに口が開くのを確認できるのも気がラクだ。
いいことずくめの「チンあさり」、殻を外して汁ごと保存しておけば、おかずやご飯など、いろいろな料理に活用できる。新鮮なあさりが手に入ったら、買ったその日にまとめてチン。おいしくムダなく食べきる新常識となりそうだ。
あさり | 250~300g(殻付き) |
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酒 | 大さじ1~1と1/2 |
砂抜きをしていないあさりの場合は、たっぷりの塩水(3%の塩分濃度。水1Lに対して塩大さじ2)に3時間ほど浸して砂抜きをする。
あさりは殻をこすり合わせて洗い、耐熱ボウルに入れる。酒をふってボウルにラップ、または電子レンジ用の蓋をする。
電子レンジ(500W)で3分30秒~4分加熱し、口が開いたら出来上がり。
基本のチンあさりを汁ごと器に盛り、万能ねぎの小口切りを散らすだけで、ふっくら&つゆだく酒蒸しの完成!味が足りなければ、好みで醤油、淡口醤油、塩などで調えよう。
シンプルなレシピの中に誰でもおいしく失敗なくつくれるコツが満載!貝のレシピにも驚きのアイデアが。『ねぎのレシピ』『みその料理帳』ほか著書多数。
文:佐々木香織 写真:飯貝拓司
この記事はdancyu2015年5月号に掲載したものです。