豆でつくった麺を食べたことはありますか?旨味たっぷりな味わいは、クセになるおいしさ。「酒の供にもぴったりです」という日本酒バー「GEM by moto」の千葉麻里絵さんが「ZENB NOODLE(ゼンブヌードル)」の魅力を生かしたレシピを2品披露します!
「ZENB(ゼンブ)ヌードル」は、黄えんどう豆100%でできた新しいヌードル。豆由来の滋味深い風味ともっちりしてプツッと切れる心地よい食感で、一度食べるとクセになる味わい。パスタやうどん、中華麺にはない独特の新食感の登場が、世間をちょっと賑わしているのだ。
「ZENBヌードルは、ほかの麺より糖質が低くてヘルシーだからスルスル食べられますよね。豆のじんわりした旨味やほっこりする香りが生きているから、酒のつまみにも締めの一杯にも使えます」と語るのは、料理と酒のペアリングの妙で食通から評判を呼ぶ日本酒バー「GEM by moto」の千葉麻里絵さん。
麺の風味が小麦のものより豊かなので、酒と合わせた時にしっかりと個性を主張してくれるという。ZENBヌードルは黄えんどう豆の皮まで"全部"使ってつくられているので、原料の味わいを鮮明に感じるのが魅力だ。
「驚きだったのは、麺のゆで汁にも豆の旨味がにじみ出ていておいしかったことですね。自然なとろみがあるので、スープのベースとしてそのまま使うのもありだと思います。近々、店でもZENBヌードルを使ったメニューを出すつもり」と千葉さんは太鼓判を押す。
家でもつくれるお手軽レシピとして千葉さんが披露してくれたのは、ZENBヌードルのすき焼き風。甘辛い割り下で煮付けた、麺、牛肉、春菊、ねぎを肴に酒がぐいぐい進む一品。豆の旨味が塩味を包み込んでいて、ふくらみのあるまろやかな味わいに仕上がっている。隠し味には、梅干しを一つ加えるという。
「私のおばあちゃんがつくるすき焼きを参考にしたレシピです。梅干しを入れると、割り下にやわらかい酸味が加わって味が締まります。食べてる途中に好みで一味や粉山椒をふって、変化をつけるのもお薦めですよ」
ZENBヌードル | 80g |
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和牛 | 80g |
春菊 | 50g |
長ねぎ | 1/3本 |
梅干し | 1個 |
卵 | 1個 |
A | |
・ 濃口醤油 | 40ml |
・ 味醂 | 40ml |
・ 酒 | 15ml |
・ 甜菜糖 | 30g(またはきび砂糖) |
・ 非焙煎胡麻油 | 大さじ1 |
鍋に1Lの水と大さじ1の塩を入れ、沸かす。春菊は食べやすい大きさに切り、長ねぎは1cm幅になるよう斜めに切る。梅干しは種を取っておく。
ZENBヌードルを鍋に入れて中弱火で3分ゆでる。別の鍋にAをすべて入れ、ひと煮立ちさせておく。ZENBヌードルがゆであがったら、Aを入れた鍋に麺とゆで汁80mlを加える。
和牛、春菊、長ねぎ、梅干しも加えて中弱火で3分ゆでる。仕上げに卵を割り入れて、皿に盛ったら出来上がり。
「ZENBヌードルが持つ豆の香りには、スパイスやハーブみたいなクセのある風味もよく合います」と千葉さん。2品目につくってくれたのは、唐辛子の辛味を利かせた、なめこ、生海苔のスープ麺。昆布と唐辛子でとっただしでZENBヌードルをゆでて、豆の味わいを余すとこなく使うのがポイントだ。
「豆とだしの旨味、なめこのとろみ、海苔の香りといった繊細な風味を寄せ合わせてつくりました。後から感じる穏やかな辛味がアクセントになっていて、酒を呼ぶ味わいです」
「酒の締めには、これがお薦めなんです」と言って、いたずらっぽく笑う千葉さんがスープと燗にした酒を1:1で割って飲ませてくれた。口にすると、酒の香りと豆の滋味が広がり、唐辛子をピリッと感じる。体が内側からだんだん温まっていくようだ。おでん屋などで親しまれている“だし割り”という飲み方だと千葉さんが教えてくれる。酒を締めるはずが、スープがなくなるまでつい酒を飲んでしまいそうな、旨味と辛味があとをひく組み合わせだ。
ZENBヌードル | 80g |
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なめこ | 50g |
生海苔 | 25g |
せり | 10g |
昆布 | 5g |
唐辛子 | 4本 |
塩 | 3g |
淡口醤油 | 小さじ1 |
味醂 | 小さじ1 |
酒 | 小さじ1 |
鍋に水500mlと昆布を入れ、弱火に30分ほどかける。昆布を取り出し、唐辛子を入れ3~4分煮て、好みの辛さになったら唐辛子を取り出す。
なめこ、生海苔を鍋に入れてひと煮立ちしたら、ZENBヌードルを加えて中弱火でゆでる。3分ゆでたら、塩、淡口醤油、味醂、酒を加える。さらに3分ゆでる。せりをざく切りにしておく。
ZENBヌードルがゆで終わったら、汁ごと器に盛り付けて、せりを上から散らして出来上がり。
*dancyu食いしん坊倶楽部100名が試食。有効回答者85名のアンケート結果より。
岩手県出身。日本酒バー「GEM by moto」の店主。科学的根拠にもとづいた日本酒の味や香りの分析をもとに、料理とのペアリングで客を楽しませる。蔵元とも独自の関係性を持ち、酒質設計の相談を受けることもある。近年はオンラインサロン「まりえ実験室(marie-lab.com)」の立ち上げや、YouTube「千葉麻里絵のもろみラジオ」の配信と精力的に活動を続ける。共著に『日本酒に恋して』『最先端の日本酒ペアリング』がある。
GEN by moto
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文:河野大治朗 写真:工藤睦子