冬に嬉しい土鍋使いのススメ
もっちり生地と鶏のだしが効いた"ひっつみ汁"

もっちり生地と鶏のだしが効いた"ひっつみ汁"

小麦粉を練ったひっつみを入れた、食べごたえ抜群のお鍋です。土鍋を鍋物だけに使っていませんか?土鍋は、コトコト煮込んだり、具だくさんスープをつくったり、ふっくら炊き込みご飯を炊いたり、蒸気を使って蒸し煮も楽しめます。土鍋の可能性がどんどん広がるレシピ、ご紹介します。

ひっつみ汁のつくり方

岩手や青森の南部に伝わる具だくさんの汁物。小麦粉の生地を引っぱってちぎることで、この名がつきました。肉、野菜、きのこでバランスのいい一品。お腹もいっぱい。

材料材料 (4人分)

★ ひっつみ生地
・ 小麦粉200g
・ 塩少々
・ 水2/3カップ
鶏もも肉大1枚(300g)
かぶ小4個
かぶの葉150g
にんじん1本
生椎茸6枚
だし汁または水5~6カップ
大さじ3
★ 調味料
・ みりん大さじ2
・ 醤油大さじ2
・ 塩小さじ1/2
小ねぎ80g(小口切り)

1ひっつみ生地をつくる

大きめのボウルに小麦粉と塩を入れ、水を加えながら耳たぶのかたさくらいになるまでよくこねる。丸めてボウルに入れ、ラップをふんわりかぶせて、30分ほど寝かせる。

2材料の下ごしらえ

鶏肉は一口大に切る。かぶは茎を2cmほど残して葉を切り落とし、皮をむいて縦に4等分に切り、葉は長さ3cmに切る。にんじんは長めの乱切りにする。椎茸は石突きを切り落として軸のまま縦4等分に切る。

3煮込む

土鍋に鶏肉、だし汁または水を入れて中火にかけ、煮立ってきたら火を弱めてアクを取り、酒を入れて蓋をして、弱火で8分ほど煮る。

4調味して具材を煮込む

中火にして調味料を入れ、かぶ、にんじん、椎茸を入れ、煮立ってきたら蓋をして弱火で8分ほど煮る。

5ひっつみ生地を入れる

ひっつみ生地を左手にもち、右手で一口大に引っぱりながら入れ、6~8分煮る。

ひっつみ生地を入れる
生地を引っぱって伸ばして鍋に加えます。生地は火が通るとかたくなるので、やわらかめにつくるのがお薦めです。

6仕上げる

かぶの葉を加えて3分ほど煮、小ねぎを散らす。

仕上げる
お好みでおろし生姜を入れても美味!

教える人

大庭英子 料理研究家

大庭英子 料理研究家

「特別な材料や調味料を使わずにつくれる料理」を数多く提案している。長年の経験と知恵から、余分な手間をそぎ落としてつくるシンプルな料理は、「おいしい」と絶大なる定評がある。キッチンにはどこででも買うことのできるポピュラーな調味料が並ぶ。分量や入れるタイミングなど、ちょっとしたコツで、誰もが幸せになれる料理がつくれる、ということを自ら実証中。

文:中村裕子 写真:原ヒデトシ

※この記事は四季dancyu「冬の台所。」に掲載したものです。

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2019年12月12日発売 / 1,100円(税込)
中村 裕子

中村 裕子 (編集者)

沖縄県・石垣島在住。島ではカレー屋のおばちゃん(石垣島「中村屋」オーナー)、東京では料理本の編集者。二足の草鞋を履くこと、早8年。料理名を聞いたら誰もが味を思い浮かべられるような、定番の料理に魅力を感じ、「基本の料理」のページをつくり続けている。手がけた本やページのヘビーユーザーでもあり、友人とのホームパーティメニューには事欠かない。美味しくビールを飲むために、朝夕のウオーキング(犬の散歩)に力を入れている。