「銀座小十」直伝!魚の肴
山椒の香りがさりげなく効いた"実山椒焼き"

山椒の香りがさりげなく効いた"実山椒焼き"

たれに山椒を漬け込んで、香り豊かな一品に仕上げます。今回の魚は金目鯛。脂ののった金目鯛を漬け込むと、爽やかな香りと柔らかな旨味が広がります。

実山椒焼きのつくり方

材料材料 (切り身2切れ分)

市販の有馬山椒大さじ1~(実山椒の佃煮)
★ 醤油たれ
・ みりん300mL
・ 酒100mL
・ 醤油150mL
好みの切り身2切れ
有馬山椒適宜(仕上げ用)

1みりんと酒を煮きる

鍋にみりんと酒を入れて火にかけて沸かし、アルコール分をとばす(煮きる)。

みりんと酒を煮きる
ツンとしたアルコールの香りを感じなくなればOK。

2冷ます

1を氷水に当てて冷ます。時間があるときは自然に冷ましてもよい。

冷ます

3醤油漬けのたれをつくる

冷めた2に醤油を加えて混ぜ、たれの完成。多めにできるので冷蔵庫に保存し、切り身の数に合わせて、必要な量を使う。

醤油漬けのたれをつくる

4山椒を溶かし込む

有馬山椒をすり鉢に入れて、すりこ木ですり、醤油漬けのたれを少しずつ加える。全体をよく混ぜて実山椒を溶かし込めば、たれの完成。

山椒を溶かし込む

5漬ける

4をボウルに入れ、切り身(写真は金目鯛)を入れて、上からキッチンペーパーをかぶせて30~40分漬け込む。

漬ける

6焼く

家庭用の両面焼きグリルで焼く。グリルをよく温めてから魚を入れて、焦がさないよう、火加減に気をつけながら焼く。火が通ったら、刷毛で残りのたれをのせるようにして塗りながら焼く。焼き上がりに好みで有馬山椒を添えてもよい。

焼く
すりつぶした有馬山椒をたれに溶け込ませているから、全体に山椒の風味がなじみ、とがった味がしない。金目鯛の皮目からしみ出た脂とも抜群の相性。

教える人

奥田 透

奥田 透 「銀座 小十」店主

お酒好きでもある奥田さん。一番飲むのはビールやシャンパンなどの泡ものだとか。「今回ご紹介した料理の中で、個人的には味噌幽庵焼きが一番好きです。手に入れば、ノドグロやマナガツオも絶品。泣ける旨さです」。

店舗情報店舗情報

銀座 小十
  • 【住所】東京都中央区銀座5‐4‐8 カリオカビル4階
  • 【電話番号】03‐6215‐9544
  • 【営業時間】12:00~13:00(L.O.)、18:00~21:30(L.O.) 要予約
  • 【定休日】日曜、祝日 12月31日~1月6日 7日は夜の営業のみ
  • 【アクセス】東京メトロ「銀座駅」B6出口より3分。JR「有楽町駅」中央出口より10分

文:鹿野真砂美 写真:名取和久

※この記事の内容はdancyu2013年1月号に掲載したものです。

鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。