スペインポーク塊肉の使い切りレシピ。2日目は、厚切りにしたステーキと四川風のスープです。保存食料理家の按田優子さんが太鼓判をおす2品は、塊肉の特徴を生かした食べごたえある味わい。豚肉をおいしく保存する術も披露するので、ぜひ試してみてください。最後には、スペインポークプレゼントキャンペーンのお知らせもありますよ。
「生の塊肉を何に使おうかな?と考えたときに、まず最初にやりたいのはステーキ」と按田優子さん。「大きさや厚さを自分好みにできる」からだそうで、レシピよりさらに分厚く楽しみたい人は適宜焼き時間をのばしてみてください。
また、トンテキでよくある「筋切り」も必要ありません。
「スペインポークは火が通っても肉質が柔らかいし、反り返ることなく焼けます」。付け合わせは、ひじきとほうれん草を風味のある根ごと炒めます。肉から出た脂で焼くので、豚肉と付け合わせの旨味が一体となりますよ。
スペイン産白豚肉 | 厚さ2.5~3cm(肩ロース) |
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乾燥ひじき | 大さじ1/2(長ひじき) |
ほうれん草 | 3束 |
塩 | 適量(豚肉の1%が目安) |
胡椒 | 適量 |
豚肉は常温に戻す。ひじきは表示通りに戻す。ほうれん草は根付きのまま3等分する。
油を小さじ1ひいたフライパンを弱火で熱して、豚肉を入れて両面を3分ずつ焼く。取り出して皿に盛る。
2のフライパンで1のひじきとほうれん草を炒め、2に添える。
スペインポークの4品目は、四川料理の「連鍋湯(リングォタン)」をアレンジしたメニュー。
豚肉はあらかじめしっかり強めの塩を加えて塊のままゆでておくと、保存期間が長くなるだけでなく、調理するときに調味料をあまり使わなくても簡単に味がまとまります。ゆで汁はスープのベースとしても活躍するので、どうか捨てないでくださいね。
また、ハモンセラーノが“だし”として活躍。汁物に少量加えるだけで味に深みが生まれるそう。花椒を散らして、四川料理らしく仕上げましょう。
スペインポークゆで豚 | 100g |
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大根 | 100g |
ハモンセラーノ | 1枚 |
生姜 | 4枚(薄切り) |
スペインポークゆで豚のゆで汁 | 100mL |
水 | 100mL |
花椒 | 適量 |
ゆで豚は一口大、大根は皮をむいて半月切りやいちょう切り、ハモンセラーノは食べやすく切る。
鍋に花椒以外の材料を入れ、中火で10~15分、大根が柔らかくなるまで煮る。仕上げに花椒を散らして出来上がり。
スペインでは、冷蔵庫がない時代から加工した豚肉が長期保存可能な食材として食されてきました。
汎用性が高く、タンパク質やビタミン類、鉄分も豊富なので、現代の家庭でも幅広い料理に使われています。
スペインの食文化とともに発展したスペインポークは、美食家たちからも愛され続ける伝統の味わいなのです。
スペイン白豚生産加工者協会(INTERPORC)
公式サイト保存食研究家。「按田餃子」店主。乾物料理店などを経て、独立。保存食を実地で研究する傍ら、乾物にまつわる食品加工の専門家としてJICAのプロジェクトに参加し、ペルーのジャングルでとれる食材の加工や保存の研究にも携わる。2012年、「按田餃子」をオープン。著書に『冷蔵庫いらずのレシピ』(ワニブックス)、『食べつなぐレシピ』(家の光協会)など。
文:北條芽似 写真:萬田康文