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忙しくて時間がないときほど、煮物をつくるといいんですよ。
鍋に入れて火にかけてしまえば、煮ている間にほかの料理をつくることができるでしょう。スープと違って、煮物は素材そのものの味を生かすのが大事だから、だしは使わないの。味の出る厚揚げや干し海老、豚肉、骨つきの鶏肉を使って、少ない水分で煮るのが私の煮物。野菜も大きく切って、ボリューム感を出します。豚肉や鶏肉は、はじめにさっとゆでて余分な脂やアクを取ってから煮ると、煮ている間にアクを取らなくてもいいですよ。
調味料を入れて、蓋をして煮込んだら、仕上げに煮汁をからめるようにしてとばすと、味がしっかりと決まります。
| 厚揚げ | 1枚 | 
|---|---|
| なす | 4本 | 
| A | |
| ・ 醤油 | 大さじ1 | 
| ・ オイスターソース | 大さじ1 | 
| ・ 酒 | 大さじ3 | 
| ・ 粗挽き胡椒 | 少々 | 
| 胡麻油 | 大さじ1/2(非焙煎タイプ) | 
| 生姜 | 2片分(せん切り) | 
厚揚げは4等分に切る。なすは皮をむいて縦半分に切る。

鍋に油と1を入れて火にかけ、香りが立つまでじっくりと炒めたらAを入れる。煮立ったら弱火にして蓋をし、8~10分煮る。器に盛り、生姜を添える。

わずか10分足らずの煮込み時間で、醤油とオイスターソースのこっくりとした風味を、厚揚げとなすが吸い込みます。皮をむいたなすのとろとろ食感にも感激。肉や魚が入らなくても、大満足のおかずになります。


北京生まれ。1990年に来日。料理研究家としてクッキングサロンを主宰しながら、シンプルで体にやさしい中国家庭料理のレシピを雑誌や書籍、テレビなどで幅広く発信している。家庭では二人の子供をもつ母。
文:鹿野真砂美 写真:宗田育子
※この記事の内容はdancyuムック 「四季dancyu秋の台所」に掲載したものです。

 
 