ウー・ウェンさんの北京の家庭料理
旨味をたっぷり吸いこんだトロトロ食感のなすに感激!"厚揚げとなすの煮物"

旨味をたっぷり吸いこんだトロトロ食感のなすに感激!"厚揚げとなすの煮物"

これからの季節に欠かせない料理と言えば煮物ですよね。今回はわずか10分足らずの煮込み時間で出来て、満足感たっぷりの一品をご紹介します。

ウー・ウェンさんの煮物のススメ

忙しくて時間がないときほど、煮物をつくるといいんですよ。
鍋に入れて火にかけてしまえば、煮ている間にほかの料理をつくることができるでしょう。スープと違って、煮物は素材そのものの味を生かすのが大事だから、だしは使わないの。味の出る厚揚げや干し海老、豚肉、骨つきの鶏肉を使って、少ない水分で煮るのが私の煮物。野菜も大きく切って、ボリューム感を出します。豚肉や鶏肉は、はじめにさっとゆでて余分な脂やアクを取ってから煮ると、煮ている間にアクを取らなくてもいいですよ。
調味料を入れて、蓋をして煮込んだら、仕上げに煮汁をからめるようにしてとばすと、味がしっかりと決まります。

厚揚げとなすの煮物のつくり方

材料材料 (3~4人分)

厚揚げ1枚
なす4本
A
・ 醤油大さじ1
・ オイスターソース大さじ1
・ 酒大さじ3
・ 粗挽き胡椒少々
胡麻油大さじ1/2(非焙煎タイプ)
生姜2片分(せん切り)

1なすをカットする

厚揚げは4等分に切る。なすは皮をむいて縦半分に切る。

なすをカットする
なすは皮をむいて煮ると、とろりとやわらかな食感をより一層楽しめます。

2煮込む

鍋に油と1を入れて火にかけ、香りが立つまでじっくりと炒めたらAを入れる。煮立ったら弱火にして蓋をし、8~10分煮る。器に盛り、生姜を添える。

煮込む
材料を炒めたら、厚揚げになすを覆いかぶせるようにしてから調味料を。蓋をして煮含めます。

3完成

わずか10分足らずの煮込み時間で、醤油とオイスターソースのこっくりとした風味を、厚揚げとなすが吸い込みます。皮をむいたなすのとろとろ食感にも感激。肉や魚が入らなくても、大満足のおかずになります。

完成

教える人

ウー・ウェン

ウー・ウェン

北京生まれ。1990年に来日。料理研究家としてクッキングサロンを主宰しながら、シンプルで体にやさしい中国家庭料理のレシピを雑誌や書籍、テレビなどで幅広く発信している。家庭では二人の子供をもつ母。

文:鹿野真砂美 写真:宗田育子

※この記事の内容はdancyuムック 「四季dancyu秋の台所」に掲載したものです。

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鹿野 真砂美

鹿野 真砂美 (ライター)

1969年東京下町生まれ。酒と食を中心に執筆するフリーライター。かつて「dancyu」本誌の編集部にも6年ほど在籍。現在は雑誌のほか、シェフや料理研究家のレシピ本の編集、執筆に携わる。料理は食べることと同じくらい、つくるのも好き。江戸前の海苔漁師だった祖父と料理上手な祖母、小料理屋を営んでいた両親のもと大きく育てられ、今は肉シェフと呼ばれるオットに肥育されながら、まだまだすくすく成長中。