コンフィチュールとはジャムのフランス語版ではありますが、一般的なジャムとはちょっと違います。さまざまなフルーツをミックスしたり、アルコールを加えたりと大人の味わいが楽しめます。自由が丘の名店「パリセヴェイユ」の金子シェフにつくり方を習いました。
ここ10年で、一気にその呼び名が広まってきた“コンフィチュール”。フルーツの香り高い味わいは魅惑的で、スパイスやアルコールを組み合わせたものは、まさに大人の味。単独フルーツでつくる甘くて濃い、かつてのジャムとは違う。東京・自由が丘の「パリセヴェイユ」では、そんな個性的なコンフィチュールに出会える。たとえば“いちじくと白ワイン”“りんごとビールとくるみ”。味を想像するだけで、ワクワクする。
「料理の発想から香辛料やアルコールを生かした美味しさを、追求しています」と語るのは、オーナーシェフの金子美明さん。パリ修業時代からコンフィチュールづくりに目覚め、本格的に取り組んで11年になるという。素材使いは実に独創的で、その美味しさにぞっこんとなる。
「出来上がりをイメージすることが肝心。果肉を残すか、ペースト状にするか。フルーツの特性によって、切り方や煮方も変えます。形を残したい場合は前日から火入れを」。こだわりが満載だ。
りんご | 500g |
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水 | 500g |
グラニュー糖 | 265g |
レモン汁 | 50g |
皮付きのりんごを縦半分、さらに4等分する。
鍋にりんごと水を入れ、落とし蓋をして中火で約30分煮る。
煮汁ごと漉し器(目の細かいザルでも可)で漉す。このとき、果肉をつぶさないように、軽くレードルで押さえながら搾る。約2カップ分とれる。
別の鍋に、①の果汁、グラニュー糖、レモン汁を入れて、途中ヘラで時々混ぜながら、細かい泡が立つまで、強火で約20分煮て完成。冷凍庫で約1年保存可能。
15歳で池袋「ルノートル」を皮切りに日本、パリの名店を経て2003年に東京・自由が丘に「パリセヴェイユ」をオープン。昨年はフランス・ヴェルサイユに「オー・シャン・デュ・コック」を開き、多忙な日々を過す。
文:村山なおこ 写真:馬場敬子
※この記事の内容はdancyu2014年10月号に掲載したものです。