旬のいちじくを使った砂糖煮、コンフィチュールは前日に軽く煮るひと手間はかかりますが、そのおかげで果物の形が残り果肉の存在感が楽しめます。旬の果肉の存在感と甘さの中に、白ワインのすっきりした風味が魅力の逸品です。パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたり、肉料理のソースとしてアレンジするのもお薦めです。
艶やかなルビー色の仕上がり。ゴロゴロッと入ったいちじくの果肉と種の存在感が醍醐味だ。しっかりした甘味の中に、いちじくと白ワインの香りが感じられる。いちじくは熟したもので。
いちじく | 正味1kg(約12個) |
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グラニュー糖 | 900g |
レモン汁 | 40g |
白ワイン | 300g(辛口) |
いちじくは、皮の表面に塩(分量外)をまぶして手で軽くこすり、水洗いする。表面のざらついた産毛や汚れが取り除かれ、仕上がりに差が出る。
①を横に2等分、さらに縦に6等分し、ボウルに入れる。グラニュー糖、レモン汁を加えて、ゴムベラで混ぜ、常温で1時間置く。しばらくすると砂糖の浸透圧により、いちじくから水分がしみ出てくる。
銅または琺瑯かステンレスの鍋に汁ごと移し、中火にかける。全体に泡がフツフツと立って軽く沸騰したら、火を止める。ボウルに移し、空気に触れないようにラップを表面に密着させてかける。冷蔵庫に一晩置いて味をなじませる。
③を鍋に入れ、強火にかけて沸騰させる。アクを取りながら、鍋底が焦げつかないように絶えずヘラで混ぜながら約5分煮る。小さな泡がブクブク沸き、ヘラで鍋底をこすってザラッとした状態になればOK。
仕上げに、白ワインを入れる。ひと煮立ちさせてアルコール分をとばし、火を止める。
コンフィチュールが熱いうちに、果肉の部分だけをボウルに移し、漏斗(スプーンでも可)で、均等に瓶に入れる。さらに液体を注ぎ、蓋をきっちりと閉める。かなり熱いので、注意すること。煮沸殺菌(コンフィチュールQ&A参照)をして完成!
15歳で池袋「ルノートル」を皮切りに日本、パリの名店を経て2003年に東京・自由が丘に「パリセヴェイユ」をオープン。昨年はフランス・ヴェルサイユに「オー・シャン・デュ・コック」を開き、多忙な日々を過す。
文:村山なおこ 写真:馬場敬子
※この記事の内容はdancyu2014年10月号に掲載したものです。