茄子は油や調味料などをよく吸収してくれるので、シンプルな味付けでも奥深い味わいになります。「蔡菜食堂」の蔡さんが教えてくれた茄子のじゃばら焼きは、細かく入れた切れ目に、にんにくがからんでもう~、たまらない!
茄子一本、丸ごと食べる豪快さが魅力のじゃばら焼き。切れ目の間に満遍なく挟まった、にんにくのみじん切りが風味をアップ。中国名は“醤茄子”だが、醤油だけで調味したとは思えない深い味わいと香ばしさに驚く。つくりたての熱いうちもおいしいが、時間がたっても、茄子に味がしっかりなじんでまたおいしい。茄子丼やお弁当のおかずにもお薦め。
茄子 | 中4本 |
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にんにく | 小さじ2(みじん切り) |
サラダ油 | 大さじ1 |
醤油 | 大さじ2 |
香菜 | 適宜(ざく切り) |
茄子はヘタを取り、コラムの要領でじゃばら切りにする。表は茄子の七分目くらいまで、5mm間隔で垂直に切り目を入れる。次にそっと裏返して、今度は半分の深さまで、斜めに切り目を入れる。じゃばら切りは火が早く通り、味がからみやすいのが利点。
フライパンにサラダ油を熱し、茄子を転がしながら中火で軽く炒め、アルミホイルをかぶせて蒸し焼きにする。
十分に火が通ったら、切れ目に挟み込むように、醤油とにんにくを各半量加え、さらに反対側の切れ目にも、残りの醤油とにんにくを加えて焼く。全部のにんにくを挟み込まなくても大丈夫。にんにくの香りが立ってきたら、一瞬、強火にして全体をあおり、火を止める。
器に盛り、香菜を散らす。
中国・上海生まれの蔡さんは妻の王梅玉さんとおいしく気取らない上海家庭料理店「蔡菜食堂」を営んでいる。
文:瀬川慧 写真:竹内章雄
※この記事の内容はdancyu2016年10月号に掲載したものです。