今日、なにつくる?
スパイス香る基本のタンドリーチキン|「シバカリーワラ」の家でタンドール料理をつくろう①

スパイス香る基本のタンドリーチキン|「シバカリーワラ」の家でタンドール料理をつくろう①

人気店の味を家で再現するスパイスのヒミツ、教えます。三軒茶屋のインド料理店「シバカリーワラ」に習う、タンドール料理。今晩のおかずにも、ビールのつまみにも、バーベキューの主役にもぴったりな家タンドーリ!ぜひつくってみてください。

家でタンドール料理をつくるということ

ヨーグルトにカレー粉や塩を適当に加えて混ぜ、鶏肉を漬け込んで焼く。決してマズいわけじゃないけれど、家でつくるタンドーリチキンなんて、まあ、こんなものだろうという味。けれど思う。プロのそれをひとたび味わってしまうと、どうにかして家でつくれないものか、と。全国のカレーマニアが熱視線を送る「シバカリーワラ」の店主、山登伸介さんに教えを請うと、二つ返事で引き受けてくれた。

冒頭のタンドーリチキン「もどき」と何が決定的に違うかといえば、味の要となる「マサラ」。カレー粉ではなく、スパイスを調合し、理想の色や香りに仕上げる。とはいえ、スパイスを何十種類も使うのではなく、山登さんは5種を厳選。
香りの柱を司るクミンとコリアンダー、最初に鼻に抜ける贅沢な風味のガラムマサラ。パプリカパウダーは赤い色出しに、レッドチリパウダーは辛味づけに使う。これらのスパイスと鶏肉を繋ぐのがヨーグルト。「食材にマサラを密着させ、なめらかな口当たりにするためにも、ヨーグルトの水きりには時間をかけてくださいね」。

焼く前に、鶏肉にマサラを余さず塗りたくる。「タンドーリチキンとは、マサラで鶏肉をおいしく食べる料理です」という山登さんの言葉が、鶏肉を噛みしめるほどに実感できる。鶏肉の旨味とマサラが口の中で混ざり合って初めて味が完成する料理なのだ。店の味はマサラで決まる。人気店のマサラをマスターして、「もどき」ではない「ホンモノ」を目指そう!

「シバカリーワラ」店主・山登伸介さん
「シバカリーワラ」店主・山登伸介さん

タンドーリチキンってどんな食べ物なの?

「タンドール窯で焼いたチキンです。タンドールとは鶏肉やナンなどを焼くための、円筒形の窯のこと(店のはセラミック製)。シークという串に鶏肉を刺し、約300℃に熱したタンドールに入れ、蓋をして焼きます。じんわり、しっかり火が入るんですよ」。

タンドール窯がないと焼けないの?

「魚焼きグリルでも焼けますよ。タンドール窯は遠赤外線などの輻射熱で食材に火を通しますが、実は魚焼きグリルも同じ方法で加熱する調理器具。つまり、日本の家庭でも十分おいしく焼けます」。

でも難しいんでしょ?

「ヨーグルトとスパイスでつくる調味料“赤のマサラ”があれば、誰でも簡単にできますよ。赤のマサラとは、インドで最もポピュラーな“タンドーリチキンマサラ”のこと。五つのスパイスとヨーグルトを混ぜるだけで簡単にできます」。

赤のマサラのつくり方

材料材料 (2人分)

★ パウダースパイス
・ パプリカパウダー大さじ1と1/2
・ レッドチリパウダー大さじ1/3
・ クミンパウダー大さじ1/2
・ コリアンダーパウダー大さじ1/2
・ ガラムマサラ大さじ1/2
おろしにんにく小さじ2
おろし生姜小さじ1
小さじ2/3
プレーンヨーグルト120g(水気をきった状態。無糖)
サラダ油大さじ3
パウダースパイス
プレーンヨーグルト

1ヨーグルトの水を切る

ボウル、ザル、さらしの順に重ねてヨーグルト(大1パック、450g)を包み、冷蔵室で4~5時間水きりし、200g以下にする。

2パウダースパイスと混ぜる

すべての材料をボウルに入れ、スパイスのダマが残らないように、泡立て器でしっかり混ぜる。

パウダースパイスと混ぜる
パウダースパイスと混ぜる

“赤のマサラ”でタンドリーチキンをつくる

材料材料 (2人分)

鶏もも肉1枚(約250g)
レモン汁大さじ1
赤のマサラ全量
溶かしバター大さじ2
香菜好みの量(刻む)

1下ごしらえ

鶏肉は皮を取り、5等分に切る。レモン汁をもみ込み、冷蔵庫に30分ほど置く。レモン汁でマリネするひと手間で、肉の臭みを取るのが山登流。

下ごしらえ

2赤のマサラをもみ込む

ボウルに1の鶏肉と赤のマサラを入れ、手で軽くもみ込む。ボウルにラップをかけ、冷蔵庫で一晩ほどねかせる。時間がないときは4時間ねかせればOK。

赤のマサラをもみ込む
赤のマサラをもみ込む

3魚焼きグリルに並べる

魚焼きグリルの網に2を取り出して並べ、残 った赤のマサラを上面に満遍なく塗る。

魚焼きグリルに並べる

4焼く

中火から強火で9分焼き、上下を返して4分焼く(片面焼きグリルの場合。両面焼きグリルなら、上下強火で12~13分焼く)。焼き上がる直前に表面に溶かしバターを塗る。これで香ばしい焼き色がつき、ジューシーに仕上がる。

焼く

5盛りつける

皿に4と香菜をのせ、好みでチャートマサラをふりかけて、グリーンチャトニを添える。

盛りつける
色、香り、辛味が絶妙のバランス 食欲をそそる焦げ色といい、皿から漂う香りといい、これは本場と違わぬ出来映え!と思わず自画自賛したくなる一品。頬張れば肉汁の大洪水。香ばしいマサラと混じり合ったその瞬間、感動が押し寄せる!

教える人

山登伸介 「シバカリーワラ」店主

山登伸介 「シバカリーワラ」店主

アパレル業界から飲食の世界へ転身。エスニック料理やカレーの移動販売、銀座のインド料理専門店「グルガオン」を経て、2013年に「シバカリ ーワラ」をオープン。現在では、お客が引きも切らず訪れる超人気店に。

店内
店内はカウンター4席、テーブル7席なので予約がベター。カード不可。チキンティッカ690円。バターチキンやポークチリキーマなど、好みのカレーが選べるプレートは1,350円から。

店舗情報店舗情報

シバカリーワラ
  • 【住所】東京都世田谷区太子堂4-28-6 サダン太田2階
  • 【電話番号】080-9432-8200
  • 【営業時間】11:45~14:30(L.O.)、18:00~21:00(L.O.)
  • 【定休日】月曜、火曜
  • 【アクセス】東急田園都市線ほか「三軒茶屋駅」より3分

文:佐々木香織 写真:衛藤キヨコ

※この記事の内容はdancyu2016年7月号に掲載したものです。

佐々木 香織

佐々木 香織 (ライター)

福島出身の父と宮城出身の母から生まれ、東北の血が流れる初老の編集ライター。墨田区在住。食べることと飲むことが好き。お酒は何でも飲むが、とくに日本酒と焼酎ラヴァー。おもな仕事は新聞やウェブでの連載、雑誌や書籍の編集・取材・執筆。テーマは食べもの、お酒、着物など。