“ンブシー”とは“蒸し”を意味する沖縄料理の一技法で、水分の多い素材を加熱して仕上げる調理法を指します。今回は水分たっぷりの冬瓜を使ったレシピをご紹介します。
冬瓜は96%が水分。消化がよく、胃が疲れたときや食欲がないときにもありがたい素材です。だしや一緒に煮る素材の味を吸収して、どんどんおいしくなります。淡白なので、豚肉のこっくりした味が加わると、がぜん存在感が増します。
冬瓜 | 300~400g |
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豚バラ肉 | 100g |
味噌 | 大さじ2~3 |
砂糖 | 適宜(好みで) |
豚だし | 1~2カップ |
冬瓜は薄く皮をむいて、一口大に切る。火が通るまで20分程度下ゆでする(アクが出るので、一度ゆでこぼして、さらに20分程度下ゆでするといい)。
豚肉は食べやすい大きさに切り、フライパンで軽く焦げ目がつくくらいまで炒める。肉自体に脂があるので、サラダ油などを入れる必要はない。
豚肉、冬瓜、豚だしを鍋に入れて、30分ほど煮る。味噌と、好みで砂糖を入れて味がしみるまで煮含める。
京都・太秦で沖縄料理店を営む実方(じつかた)藤男さんと大道寺ちはるさん。
21年前に沖縄・壺屋で店を始める以前は、実方さんは執筆業、大道寺さんは校正業とまったく違う畑からの転身。根っからの料理人ではないからこそ、文献を徹底的に調べ、緻密に試作を重ねて、数々の沖縄伝統料理を復活させてきた。
写真:東谷幸一 文:里見美香
※この記事の内容はdancyu2015年9月号に掲載したものです。