夏を感じる薬味ごはん
バター香る濃厚な旨味"塩もみしそと帆立のご飯"

バター香る濃厚な旨味"塩もみしそと帆立のご飯"

しそは香り高く、その鮮やかな色味が特徴の薬味です。強い存在感を持っているので、旨味や香りが強い食材と合わせても、負けずに調和してくれます。今回は、バター香る濃厚な旨味と合わせました。

こっくりした旨味と爽やかな香り

しそ。その薬味の中でも代表的な存在としてありとあらゆる料理に合わせられる姿は、民に慕われた劉備のよう。ここでは子供からお年寄りの胃袋まで鷲掴みにするため、旬の帆立とバターを使った洋風の炊き込みご飯をつくり、そこに塩もみしたしそをたっぷり合わせる。そうすると、しその香りも強すぎず、バター香る帆立の旨さと見事に調和する。

塩もみしそと帆立のご飯のつくり方

材料材料 (4人分)

2合
蒸し帆立3個(刺身用の帆立を使う場合は4個)
しそ20枚
レモン1/2個
バター10g
白ワイン60ml
醤油小さじ1
小さじ1・1/3

1ご飯の下準備

米は研いで、ザルに上げてしっかり水きりする。鍋に入れ、360mlの水を加えて30分ほど浸水させておく。

2帆立に火を入れる

フライパンを中火にかけてバターを入れ、溶けたところに帆立を入れ、両面を軽く焼き、白ワインを加える。蓋をして弱火で2分ほど蒸したら火を止め、醤油を回し入れて全体にからめる。

帆立に火を入れる

3ご飯を炊く

①の鍋に②の蒸し汁40ml(足りない場合は水を足す)と塩小さじ1を入れる。帆立の貝柱は手でほぐし、ヒモなどは包丁で食べやすい大きさに切って鍋に入れ、ご飯を炊く。鍋を中火にかけ、沸騰したら弱火にして10分ほど炊き、火を止める。10~15分蒸したら出来上がり。鍋ご飯は、鍋の種類や大きさにより加熱時間が異なるのであくまで目安に。炊飯器の場合は表示の目盛り通りの水加減で炊く。

ご飯を炊く

4しそを塩でもみ込む

しそは18枚を手で適当な大きさにちぎってボウルに入れ、塩小さじ1/3をふり、手でやさしく1分ほどもみ込む。ご飯が炊き上がるまで置く。

しそを塩でもみ込む

5仕上げ

炊き上がったら、④を少しずつ加えながら混ぜ合わせる。茶碗に盛り、くし形に切ったレモンと残りのしそをせん切りにしてのせる。

仕上げ

教える人

つむぎや

つむぎや

金子健一さん(写真右)、マツーラユタカさんによる2人組フードユニット。現在それぞれ地方に移住。金子さんは長野県松本市で「alps gohan」という店を、マツーラさんは山形県鶴岡市で「manoma」という店を営む。

文:マツーラユタカ 写真:公文美和

※この記事の内容はdancyu2015年7月号に掲載したものです。

マツーラユタカ

マツーラユタカ (物書き料理家)

昨年20年以上続けた東京ライフに区切りをつけ、故郷である山形県鶴岡市にUターン。出羽三山信仰、山伏の文化が息づき、多種多様な在来野菜や保存食、発酵食と、食文化豊かな土地で「manoma(マノマ)」というカフェを営む。二十四節気の暦にあわせて、庄内の野菜を主役にした季節のごはんを提供している。東京時代は、金子健一さんともにフードユニット「つむぎや」として活動しながら、個人ではライター稼業も。つむぎやとしての著書に、『お昼が一番楽しみになるお弁当』(すばる舎)などがある。