羊とパクチーという一癖ある素材同士ですが、ひとたび結束すると、強烈に食欲を刺激する一皿に変身します。おつまみにもいいですが、無性に白いご飯が欲しくなります。ガツンとスパイスが効いた味わいをお楽しみください。
北京と言えば羊肉。この料理こそ、私の北京の思い出の味!とある湖畔に佇むレストランの名物料理がどうしても食べたくて、一人で向かった記憶が蘇ります。
くせのある羊肉をこれまたくせの強いパクチーと炒める手があったか!と驚きました。今回は現地のものより、さらにスパイスのパンチを効かせてみました。
日本では、一般的に春か秋に種蒔きをします。芽吹いてすぐはスプラウト状ですが、その後生育するときの気候によって形状が変化。寒い時期に成長すると、地面に沿って放射状に広がっていき、温暖な時期に成長すると、天に向かって伸びていきます。南国のイメージが強いですが、実は冬場にもガッシリとよく育ち、味も濃厚で美味です。
買ってきたパクチーに元気がないときは、全体が完全に浸るようにして、冷水につけましょう。10分もするとしゃきっとしてきます。ただし、浸しすぎても逆効果。日持ちが悪くなってしまいます。パクチーは意外と繊細なのです。
ラムもも肉 | 150g(スライスまたはこま切れ) |
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パクチー | 80g |
九条ネギなどの青ネギ | 2本(約80g) |
A | |
・ クミンパウダー | 小さじ1/2 |
・ コリアンダーパウダー | 小さじ1/2 |
・ 胡麻油 | 小さじ1と1/2 |
・ オイスターソース | 小さじ1 |
・ 酒 | 小さじ2 |
・ 醤油 | 小さじ2 |
胡麻油 | 小さじ2 |
粗挽き黒胡椒 | 適宜 |
ラム肉は食べやすい大きさに切ってボウルに入れ、Aをもみ込んで下味をつけ、20分以上置く。パクチーは葉と茎に分け、茎の部分は長さ4~5cmに、葉の部分はざく切りにしておく。青ねぎは斜め薄切りにする。
強火で熱したフライパンに胡麻油をひき、ラム肉を広げる。片面にしっかり焼き色がつき、肉に七割方火が通ったら、パクチーの茎、青ねぎを順に重ね、全体を炒め合わせる。
油が全体になじみ、かさが減ってきたらパクチーの葉を加える。さっと炒めたら火を止めて、余熱でなじませて素早く皿に盛る。仕上げに粗挽き黒胡椒をふっていただく。
都内の自宅と、神奈川県伊勢原市の菜園を行き来しながら野菜をつくり始めて10年。栽培する品種は年々進化している。合間を縫うようにして食文化研究の旅にも忙しい。
文:植松良枝 写真:邑口京一郎
※この記事の内容はdancyu2013年7月号に掲載したものです。