初夏の爽やかパクチーレシピ
ビールがぐいぐい進む"トムヤム餃子"

ビールがぐいぐい進む"トムヤム餃子"

トムヤムクンといえば辛味と酸味、そして重厚な香りが魅力のタイ料理ですが、今回は餃子にアレンジ!キンキンに冷えたビールを片手に、酸っぱ辛い餃子をたらふくご堪能あれ。

酸っぱ辛い味付けがビールに合う

「トムヤム餃子」はトムヤムクンの本場、タイにはもちろん存在しない、オリジナル料理です(余談ですが、バンコクには「トムヤムティーニ」というカクテルが存在します!)。餡に混ぜ込んだトムヤムペーストと、根も茎も葉も総動員のパクチーが、餃子の可能性を広げます。ビールがぐいぐい進みますよ。
トムヤムペーストの力で餡にしっかりと味がついているので、そのまま何もつけずに食べても十分に美味。トムヤムだれは味が濃厚なので、ベタづけは厳禁です。

パクチーを知る

日本では、一般的に春か秋に種蒔きをします。芽吹いてすぐはスプラウト状ですが、その後生育するときの気候によって形状が変化。寒い時期に成長すると、地面に沿って放射状に広がっていき、温暖な時期に成長すると、天に向かって伸びていきます。南国のイメージが強いですが、実は冬場にもガッシリとよく育ち、味も濃厚で美味です。

パクチー

パクチーを元気にさせよう!

買ってきたパクチーに元気がないときは、全体が完全に浸るようにして、冷水につけましょう。10分もするとしゃきっとしてきます。ただし、浸しすぎても逆効果。日持ちが悪くなってしまいます。パクチーは意外と繊細なのです。

パクチー

トムヤム餃子のつくり方

材料材料 (約20個分)

豚挽き肉200g
キャベツ150g
パクチー40g以上(好みでたっぷりと)
パクチーの根2株分(みじん切り)
生姜大1片(みじん切り)
A
・ トムヤムペースト約15g
・ 砂糖小さじ1
・ 油小さじ1(米油などくせのない油)
・ ナムプラー小さじ2
・ 水大さじ2
・ 粗挽き黒胡椒小さじ1/3
餃子の皮約20枚
サラダ油小さじ2
胡麻油小さじ1~2
★ トムヤムだれ
・ トムヤムペースト約15g
・ レモン汁大さじ2(または酢)

1下準備

・パクチーの葉を摘む。トッピング用に少量取り分け、残りを細かく刻んで具に使う。茎はみじん切りにして、適量をたれに、残りは具に使う。
・キャベツは粗みじんにしてボウルに入れ、塩小さじ1/2(分量外)で軽くもんで、水気をしっかり絞る。

2餡をつくる

ボウルに豚挽き肉とパクチーの葉、茎、根、塩もみキャベツ、生姜のみじん切りを入れて、Aの調味料を加えてよく練り混ぜる。調味料は、先に肉とよく混ぜ合わせてから全体を混ぜるようにするとよい。

餡をつくる

3皮に包む

餃子の皮に2の餡を適量のせ、ひだを寄せて包み、バットに並べる。

4餃子を焼く

フライパンを弱火で熱し、温まってきたらサラダ油をひく。餃子をフライパンの周囲にぐるりと並べてから、中心にも隙間なく並べる。フライパンの1㎝くらいの深さまで湯を注いで蓋をし、強火で蒸し焼きにする。

餃子を焼く

5仕上げ

湯がほとんどなくなってきたら蓋を外し、中火でしっかりと水分をとばす。香ばしい香りが立ち、しっかりとした焼き色がつくまで焼けたら、胡麻油を鍋肌に回し入れてかりっと焼き上げる。逆さにし、焼き目が上になるようにして皿に盛り、パクチーの葉を中央に盛る。
そのまま食べても味がしっかりついているが、トムヤムペーストの残り(約15g)とレモン汁(または酢)を混ぜ合わせたたれに、パクチーの茎をトッピングして少々のせながら食べると、味のアクセントになる。

仕上げ

教える人

植松良枝

植松良枝 料理研究家

都内の自宅と、神奈川県伊勢原市の菜園を行き来しながら野菜をつくり始めて10年。栽培する品種は年々進化している。合間を縫うようにして食文化研究の旅にも忙しい。

文:植松良枝  写真:邑口京一郎

※この記事の内容はdancyu2013年7月号に掲載したものです。