骨の周りの肉は、他の部位では味わえない美味しさがあります。さらに、ガブっとかぶりついて食べる快感はたまりません!揚げるのに時間はかかりますが、ぜひ御賞味あれ。
瀬尾さん曰く、「骨の周りの肉はとにかく旨い!揚げても縮まないから、柔らかい!」。
骨付き肉は揚げ時間が少々かかるが、骨からの旨味も加わって一層味わい深い。骨の際に包丁を入れると、火通りもよく味もしみる。塩と胡椒のシンプルな味つけで、肉そのものの味を堪能しよう!
骨付きもも肉 | 700g(2本) |
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手羽 | 300g(3本) |
★ 下味 | |
・ 卵 | 1個 |
・ 塩 | 小さじ2/3 |
・ 黒胡椒 | 小さじ2/3程度 |
薄力粉 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
骨付きもも肉は、中心のあたりに関節があるので、そこから包丁を入れて、切り離す。火の通りをよくするために、骨の両脇に包丁を入れておく。
スーパーでは、手羽は手羽元と手羽先に分けて売っています。手羽先の先端の食べられない部分は羽先と言います。羽先が残っていれば切り落とし、骨の脇に包丁を入れる。2本の骨のつなぎ目にも包丁を入れてはずしておくと下味もしみ込みやすく、食べやすい。
ボウルに鶏肉を入れ、下味の材料を加えてよく混ぜ合わせ、そのまま10分置く。
粉をまぶして揚げる。骨付き肉は時間がかかるので、じっくりと。もも肉は重たいが、火が通ればちゃんと浮き上がってくる。わかりにくいときは、骨の際に箸を刺してみて、抵抗なくスコッと入れば大丈夫(油の温度が高いと表面がきつね色になっても中が生だったりします。うっすら色づいてきたら、箸で刺してみて火の通り具合を見ます。中がまだ生なら火を小さくして火が通るのを待ちます)。
火が中まで通ったら、引き上げてキッチンペーパーの上などで油をきり、器に盛る。喰らいつく幸せ、あふれ出す肉汁。 これぞ、「家で鶏から」のマスターピースと言える一皿です。
酒呑みのバイブル『おつまみ横丁』(池田書店)の著者である料理研究家。シンプルなレシピから繰り出されるミラクル。騙されたと思ってつくってみてください。
文:鹿野真砂美 写真:土居麻紀子
※この記事の内容はdancyu2014年3月号に掲載したものです。