もも肉の脂、胸肉やささみの淡白な味わい、さらに骨まで美味しい万能な食材と言っていい鶏肉ですが、忘れてはいけないのが内臓です。焼き鳥でもお馴染みのハツ、レバー、砂肝はから揚げにしても、その個性的な旨味を発揮してくれます。
プリプリのハツと、濃厚なレバー、さっくり砂肝は、ビール衣をまとわせて手早く揚げる。下味も変えることで、軽やかな衣の中から、それぞれの個性的な味と香りが飛び出してくるのが楽しい。衣がすぐにへたるので、揚げたてをすぐ食べよう。
ハツ | 200g |
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★ 下味 | |
・ 塩 | 小さじ1/2~2/3 |
・ 胡椒 | たっぷり |
・ 好みのハーブ | ひとつまみ(今回はタイム) |
・ 牛乳 | 大さじ1 |
薄力粉 | 適量 |
ビール | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
ハツは真ん中に包丁を入れて開く。中に血の塊があるので取り除き、水気を拭き取る。下味の材料をからめて10分置く。
ボウルに薄力粉と塩少々(分量外)を入れ、ビールを注いで混ぜる。天ぷらの衣と同じくらい(ホットケーキの種よりもゆるいくらい)の衣をつくる。
1のハツに薄力粉を薄くまぶして2をからめ、広げるようにして、揚げる。油の温度は鍋に入れてすぐ、ブワーッと泡が出るくらいが目安。中心まで温まると、比重が軽くなって浮き上がってくる。ここが揚げ上がりのタイミング。引き上げてキッチンペーパーの上などで油をきり、器に盛る。
レバー | 200g |
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★ 下味 | |
・ おろしにんにく | 小さじ1/2 |
・ 醤油 | 大さじ1/2 |
薄力粉 | 適量 |
塩 | 少々 |
ビール | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
レバーは、心臓がついていたら切り落とし、一口大に切る。下味の材料をからめて10分置く。
薄力粉、塩、ビールで衣をつくる。ハツよりも少し硬めにするといい。
1に薄力粉を薄くまぶしてから2の衣をからめ、高めの温度で手早く揚げる。
砂肝 | 200g |
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★ 下味 | |
・ 塩 | 小さじ1/2 |
・ 胡椒 | たっぷり |
・ 牛乳 | 大さじ1 |
薄力粉 | 適量 |
ビール | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
砂肝は食べやすい大きさに切り、下味の材料をからめて10分置く。
薄力粉、塩少々(分量外)、ビールで硬めの衣をつくる。1に薄力粉を薄くまぶし、衣をからめ、高い温度で手早く揚げる。
酒呑みのバイブル『おつまみ横丁』(池田書店)の著者である料理研究家。シンプルなレシピから繰り出されるミラクル。騙されたと思ってつくってみてください。
文:鹿野真砂美 写真:土居麻紀子
※この記事の内容はdancyu2014年3月号に掲載したものです。