「ル・マンジュ・トゥー」谷シェフの胡椒クッキング
さっぱりアジのマリネ

さっぱりアジのマリネ

アジを米酢で締める。ここまでなら和食だが、黒胡椒を加えることでフレンチに。「胡椒は、魔物です。間違った使い方をすると、とんでもないことになる」と、その料理哲学に信奉者の多い谷昇シェフは語る。胡椒の特質を知ってこそ、使う意味あり。谷シェフ、胡椒との付き合い方を教えてください!

アジのマリネのつくり方

材料材料 (4人分)

アジ4尾
適量
適量(米酢または穀物酢)
黒胡椒適量(粗挽き)
オリーブオイル適量

1アジをおろし、塩をふる

アジは三枚におろす(中骨は抜かない)。バットに並べ、アジの両面に、白くなるくらい塩をふる。冷蔵庫で10分ほど置く。

アジをおろし、塩をふる

2酢で洗う

バットに酢を注ぎ、アジの塩を落とすように酢洗いする。キッチンペーパーで水気を拭き、皮をひいて中骨を取り除く。

酢で洗う

3黒胡椒をふる

別のバットにオリーブオイルを薄くひき、アジを並べる。胡椒挽きをアジの30cmほど上で持ち、アジ4切れ(2尾分)に対して、黒胡椒をガリッと1回挽く。

黒胡椒をふる

4仕上げる

アジを1cm幅に切り(真ん中に切り込みを入れながら切る“〆サバ切り”)、器に盛ってオリーブオイル(撮影時は、レモンの香りを移したレモンオリーブオイルを使用)をかける。

仕上げる

5盛り付ける

青魚と胡椒はそもそも相性がよく、魚の脂の旨味、酢の酸味、胡椒の香り。バラバラの特徴をまとめてくれるのが、オリーブオイル。胡椒をふってからオイルをかければマイルドに、胡椒が後だとスパイシーに感じる。順序が変わるだけで、魚の味も驚くほど変わります。

盛り付ける

教える人

谷 昇

谷 昇 「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ

1952年東京生まれ。都内のレストラン勤務、二度の渡仏などを経て、1994年に「ル・マンジュ・トゥー」を開店。現在オーナーシェフとして日々、厨房に立つ。お気に入りの胡椒挽きはプジョー製。「ツール・ド・フランスのファンだからね(笑)」。

文:佐々木香織 写真:鈴木泰介

※この記事の内容はdancyu2017年9月号に掲載したものです。