おやつの時間ですよ。
"萌え断"フルーツサンドはこうしてつくる。

"萌え断"フルーツサンドはこうしてつくる。

「フルーツサンドは断面が命!」と語るのは、お菓子・料理研究家の森崎繭香さん。フルーツの配置とパンの切り方を理解すれば、簡単に華やかで美しい断面をつくることができます。フルーツと生クリームをパンでサンドして、いざ入刀!

美しい断面の鍵はフルーツの配置とカットにあり。

卵サンド、BLTサンド、カツサンド……。数多あるサンドイッチの中でも、ひときわ異彩を放つ華やかな「フルーツサンド」。 食パンに生クリーム、色とりどりの果物。果たして軽食なのか、それともデザートなのか。どちらの魅力も持ち合わせた、空腹を満たしたいときにぴったりな「おやつ」でもあります。

「“カラフルな断面は可愛らしいけど、どうやってつくれば良いのかわかりません!”という声をよく聞くおやつですね」と話すのは、お菓子・料理研究家の森崎繭香さん。

フルーツパーラーや喫茶店へ行かなくても、こんなに可愛いサンドイッチが食べられたらおやつの場がもっと楽しくなります。

「ズバリ、美しい断面のフルーツサンドをつくる鍵は、フルーツの配置とカットの仕方です。その2点さえ気をつければ、誰でも胸がきゅんとするような可愛らしい”萌え断”のフルーツサンドがつくれます」
なんと頼もしいお言葉。フルーツがビシッときれいに並んだフルーツサンドのつくり方、教えてください。
「まずは、カットしやすい食パンが必要ですね。ふわふわとした柔らかい食パンは、形を崩さずに切るのがとても難しい。まずは硬すぎず、柔らかすぎない食パン、つまり、いつも食べ慣れているものでチャレンジしてみてください」
食パンを用意したら、次は生クリームとフルーツをサンドしますよね。
「断面を美しくみせるポイントは、フルーツのいちばん厚い部分が包丁で切る線上にあるように配置することです。コツさえ掴んでしまえば、切り方次第で様々な断面をつくることができるはずです」

対角線上に切るのをイメージして配置したフルーツ。

フルーツと生クリームをパンでサンドしたら、いよいよ断面をつくるためのカット!
森崎さんが取り出したのは、刃が波状になっているながーい包丁。
「美しくカットするための秘密兵器“パン切り包丁”です。波刃になっているので、柔らかくて崩れやすいパンもきれいに切れます」
もしかしたら、上手に切れないのは、自分の腕のせいではなく、包丁のせいかも?
食材と道具が揃えば、もう心配はいりません。あとは勇気を持って“美しい断面”にレッツチャレンジ!

パン切り包丁を持っていない方は、包丁を熱湯につけて温めると、切れ味がアップします

フルーツサンドのつくり方

材料材料 (1人分)

イチゴ2個
黄桃1/4個(缶詰)
キウイフルーツ1/4個
食パン2枚(8枚切り)
生クリーム100ml
ハチミツ大さじ1/2
材料

1下準備

フルーツはキッチンペーパーにのせ、水気を取っておく。

2クリームをつくる

氷水にあてたボウルで生クリームをとろみがつくまで泡立て、ハチミツを加えてゴムべらで混ぜる。

クリームをつくる

生クリームは”八分立て”と呼ばれる硬さになるまで泡立てましょう。ホイッパーでクリームを持ち上げると、ツノが立つぐらいの硬さです。

3食パンにクリームを塗る

食パン2枚の片面にクリームを塗り広げる。

食パンにクリームを塗る

縁まで塗ってしまうと、サンドしたときにクリームがはみ出してしまうので注意しましょう。

4フルーツを並べる

食パン1枚の上にフルーツを並べる。

フルーツを並べる

フルーツの厚い部分が包丁で切る線上になるように配置します。

5サンドする

クリームだけを塗った食パンを4の上にのせ、手で軽く押さえる。ラップでぴっちりと巻き、包丁で切る位置に油性マジックで印をつけたら、冷蔵庫で30分ほど休ませる。

サンドする
サンドする

包丁で切る位置に印をつけておくと、カットするときに失敗がありませんよ。

6切る

ラップに包んだまま、対角線上(印を付けた部分)に包丁で切る。

パン切り包丁または包丁で、ラップごと切ります。
包丁に付いたクリームはその都度ふき取ると、断面のフルーツが汚れません。
切れ味が悪い場合は熱湯に刃をつけて温めると、切れやすくなります。
できあがり。最後にラップをはずしましょう。

「食パンの耳が苦手な方は、ラップをはずしてから最後に切り落としましょう。耳を落とすときに断面がズレやすいので、気をつけてくださいね」
三角形のフルーツサンドのほかにも、おすすめのカット方法をふたつご紹介。慣れてきたら、ぜひ自分の好きなフルーツと切り方で仕上げてみてください。
断面を意識してフルーツを配置できるようになったら、あなたはフルーツサンドマスターです!

初心者でも安心!整列フルーツサンド。

ひとつずつラップで包んでからワックスペーパーでキャンディー状にすれば、ピクニックなどにもぴったりです。
基本のレシピよりもキウイフルーツを増量。横三等分に切ります。
切り口が交差しないで、形がくずれにくいので初心者におすすめです。

パーラー風フルーツサンド。

かわいい箱に入れると手土産にもぴったり。「いちばん難しい切り方。上級者向けです」と森崎さん。
基本のレシピよりもイチゴを減らし、フルーツを配置。
縦横に切って四等分にすれば、上品な見た目のフルーツサンドのでき上がり。

教える人

森崎繭香

森崎繭香

1976年、横浜生まれの八王子育ち。お菓子・料理研究家/フードコーディネーター。料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立。書籍、雑誌やWEBへのレシピ提供、ラジオ・テレビ出演など幅広く活動中。身近な材料を使った自宅でもつくりやすいレシピを心がけている。2019年には、人と犬が一緒に食べられる無添加おやつとごはんのオンラインショップ「one's daily」をオープン。著書に『型がなくても作れるデコレーションケーキ』(グラフィック社)、『小麦粉なしでつくる たっぷりクリームの魅惑のおやつ』(日東書院本社)、『米粉で作る うれしい和のおやつ』(立東舎)。最新刊は『はじめてでもおいしくできる! おうちおやつ』(文化出版局)。

文:長嶺李砂 写真:公文美和

長嶺 李砂

長嶺 李砂 (ライター・編集者)

1984年、青森県十和田市生まれ。子供時代の夢だったパティシエになるも紆余曲折、今は主に書籍を手がける編集者。食や暮らしにまつわる企画に関わることが多い。『スパイスでおいしくなるand CURRYのカレーレッスン』(立東舎)、『2LDK、5人家族。』(光文社)、『5つの味つけ黄金比』(学研プラス)、『おつかれさまスープ』(学研プラス)などの編集に携わる。東京都・若林にある青森の地酒と郷土料理の店『酔処みね』で、木曜日に働いています!