旬の野菜の知恵袋。
菜の花をこんがりと焼いてみよう。

菜の花をこんがりと焼いてみよう。

菜の花は旬の時季になると、花を咲かせるために茎が太くなり、爽やかな苦味が味わえるようになります。こんがり焼き目をつけて、生ハム、ポーチドエッグと合わせると、食べごたえのある料理に様変わり。シンプルな調理法ですが、菜の花の魅力を最大限引き出せるレシピです。

菜の花の苦味を引き立てる。

青菜のほとんどはアブラナ科の野菜。小松菜、水菜、青梗菜も蕾(つぼみ)が付くまで育てると、茎が太くなって薹立ちをするので、苦味のある味わいになります。実は、菜の花とはアブラナ科の野菜が花をつける状態の総称なのです。

菜の花

野菜は蕾をつけて薹立ちすることで筋っぽくなり、えぐみが出ます。そうなると、農家では商品価値がなくなってしまうので、蕾をつける前にすべて収穫してしまうことがほとんどです。

野菜の世界で薹立ちにはネガティブなイメージがつきがちですが、ほろ苦さやえぐみは調理法によっては料理の味を底上げしてくれる大切な要素。野菜を育てる環境を持っている人は、ぜひ薹立ちしてからの収穫にもチャレンジしてみてください。

植松良枝先生

苦味を活かす調理法として試していただきたいのは、菜の花を焼き目がつくまで香ばしく焼いてみること。
臆せずしっかりと焼きつけることで、菜の花が持つ苦味に甘味が加わり、食べごたえがぐんっと増します。

茎のこりっとした食感を残しつつ焼くには、なるべく太い茎の菜の花を選ぶことがポイント。
生ハム、ポーチドエッグと一緒に食べると塩味とまろやかな味わいの相性が抜群です。

菜の花
菜の花は香ばしく焼くと、存在感のある料理の付け合わせになります。

焼き菜の花と生ハム、ポーチドエッグのせのつくり方

材料材料 (2人分)

菜の花8本
生ハム4~6枚
2個
小さじ1
適量
オリーブオイル適量
バルサミコ酢適量
材料

1ポーチドエッグをつくる

小鍋に湯を沸かし、酢を加える。
弱火にし、お玉に割り入れた卵を静かに湯の中に入れる。広がる白身を、お玉で黄身のほうに寄せながらひとつにまとめる。
2分ほど好みの半熟具合になるまで加熱する。取り出したら水にくぐらせてからペーパータオルで水気をとる。

ポーチドエッグをつくる
お玉に割り入れた卵をそっと湯の中へと入れます。
ポーチドエッグをつくる
白身が散らばらないように、お玉でまとめてあげてください。
ポーチドエッグをつくる
白身が固まってくれば、触らなくても大丈夫です。
ポーチドエッグをつくる
湯からあげたら、水にくぐらせて熱が通り過ぎないようにしましょう。

2菜の花を焼く

菜の花は大きな葉を取り、茎下の表皮をピーラーで剥く。オリーブオイルを中火で熱したフライパンに、菜の花と葉を入れて焼き目がしっかりとつくまで4分ほど両面しっかりと焼く。

菜の花を焼く
茎の下にある大きな葉はむしって、茎とは別にしておきます。
菜の花を焼く
茎下の皮は固いので、ピーラーで薄く剥きます。
菜の花を焼く
ヘラで押し付けながら焼くとしっかりとした焼き目がつきます。
菜の花を焼く
しっかりと焦げ付くぐらいが、菜の花の苦味が際立ちます。

3盛り付ける

皿に菜の花、ポーチドエッグ、生ハムを盛り合わせる。
塩とバルサミコ、オリーブオイルを適量かけたらでき上がり。

盛り付ける
茎を交差するように盛り付けると、立体感が出ます。
盛り付ける
生ハムと卵を立てかけるように添えましょう。
盛り付ける
卵をくずして、黄身に絡めながらめし上がれ。

文:植松良枝 写真:宮濱祐美子

植松 良枝

植松 良枝 (料理研究家)

四季に寄り添った食と暮らしを提案する料理研究家。菜園での野菜づくりがライフワーク。春夏秋冬それぞれの季節が極まり、次の季節の準備期間である「土用」を暦の中でも特に大切にしている。一児の母となり、忙しい日々の中で家族への想いも増してさらに深く土用を考えるようになった。