菜の花のような苦味のある野菜は、オイルとの相性が抜群。洋風料理に使ってみると、新しい発見があります。くたくたに煮た菜の花のソースでつくるオレキエッテをつくってみましょう。
菜の花といえば、和食に使われるイメージが強い野菜かもしれません。菜の花の辛子和えやお浸しが代表的ですね。黄色い花が蕾(つぼみ)の中からチラホラと見える菜の花は「春告げ菜」と呼ばれ、春の懐石料理によくあしらわれます。
菜の花は西洋野菜のような強い苦味とえぐみがあるので、和食で使うようにしゃきしゃきとした食感をのこしてゆで上げるだけでなく、洋風料理にも使ってみてほしい野菜。ヘラで簡単につぶせるくらいくたくたに煮た菜の花の香りや、じっくりと焼いて引き出した甘味にも、ぜひ気づいてほしいのです。
南イタリアのプーリア州で栽培されているチーマディラーパは、見た目も味も菜の花にそっくりの野菜です。「かぶの先っぽ」という意味の名前で、南イタリアの食卓に欠かせません。
プーリアの旅に出かけたときは、チーマディラーパがテーブルいっぱいに広げて売られていたり、民家の軒先に手打ちのオレキエッテが干されていたりという光景をよく目にしました。現地でチーマディラーパをくたくたに煮たオレキエッテを食べたときの驚きは、今でも忘れられません。爽やかな苦味と、コクのある甘味が、なんと鮮烈だったことか。
くたくたに煮てしまえば、繊維は柔らかくなり、えぐみが穏やかになるので、菜の花にぴったりな調理法。
とろっとした菜の花のパスタソースが、オレキエッテの耳に入り込み、野菜の旨味を余すことなく堪能できるレシピです。
菜の花 | 150g |
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オレキエッテ | 120g |
にんにく | 1片 |
アンチョビ | 4枚 |
赤唐辛子 | 1本 |
パン粉 | 大さじ2(ローストしたもの) |
オリーブオイル | 適量 |
塩 | 適量 |
菜の花を2cmほどの長さに切る。
鍋にたっぷりの水とその1%の量の塩を入れて沸かす。
菜の花とオレキエッテを同じ鍋に入れ、菜の花は8分、オレキエッテは袋に表示されている時間ゆでる。パスタ同士がくっつかないように、ゆでている途中で全体を混ぜる。
菜の花とパスタをゆでている時間を使って、皮を剥いてつぶしたにんにくと、オリーブオイルをフライパンに入れて弱火にかける。にんにくが茶色く色づいたらアンチョビと赤唐辛子を加えて、30秒ほど炒め合わせる。
菜の花だけを穴杓子やざるで先に取り出して2に加え、木べらで菜の花の茎をつぶしながら混ぜ合わせる。
時間差でゆで上がったオレキエッテを加えて炒め合わせ、塩で味を整え、最後にパン粉を加えてひと混ぜして、器に盛る。
――つづく。
文:植松良枝 写真:宮濱祐美子